●集合【しゅうごう】
知恵蔵
集合
(桂利行 東京大学大学院教授 / 2007年)
出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
デジタル大辞泉
しゅう‐ごう〔シフガフ|シユウガフ〕【集合/×聚合】
1 1か所に集まること。また、集めること。「駅前に八時に―する」⇔解散。
「森羅万象を―して自在に己れの材料と為し」〈鉄腸・花間鶯〉
2 数学の基本概念の一。物の集まりで、個々の物がその集まりの中に属するかどうか、かつ、その集まりの中の二つの物が等しいかどうかが明確に判定できるものをいう。個々の物を元(げん)または要素という。
出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版
しゅうごう【集合 set】
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
集合
しゅうごう
set
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日本大百科全書(ニッポニカ)
集合
しゅうごう
教室の机や椅子(いす)とか、1から50までの自然数のようにはっきり定義されたものを一つの全体として考えたものを、それらの対象の集合といい、それらの対象をその集合の元(げん)とか要素という。aが集合Aの元であることをa∈Aと書き、aはAに属するとか、Aはaを含むという。集合をつくる対象は、机や椅子のように実在しているものでもよいし、頭のなかで架空的に考えられたものでもよい。有限個の元からできている集合を有限集合という。それに対して、自然数1、2、3、……の全体、直線上の点の全体はいずれも集合であるが、これらの集合はその元を数えきることができない。このような無限個の元を含む集合を無限集合という。集合の元の個数を濃度という。一つの集合を定義するのには2通りの方法がある。一つは、集合の要素をa、b、c、……のように列記する方法である。この集合を{a, b, c,……}と書く。もう一つは、ある性質が与えられたとき、その性質をもっているもの全体を一つの集合とする方法である。「nは自然数である」という性質をもつnの全体は自然数全体の集合ということになる。その性質をもつような対象がないとき、この性質は、元を一つも含まない集合を与えることになる。元をまったく含まない集合を空(くう)集合といい、しばしば∅という記号で表す。二つの集合AとBについて、Aのどの元も同時にBの元であるとき、集合Aは集合Bの部分集合であるといい、A⊂Bと書く。どの集合Aについても∅⊂Aである。AがBの部分集合(A⊂B)で、同時にBがAの部分集合(B⊂A)であるとき、すなわちAとBの元が同じとき、AとBは等しいといい、A=Bと書く。
[西村敏男]
集合演算
AとBを集合とするとき、AかBの少なくとも一方に属する元の全体をAとBの和集合とか合併集合といい、A∪Bと書く(
の①)。AとBの両方に属する元の全体をAとBの共通集合といい、A∩Bと書く( の②)。A={1, 2, 3, 4}、B={2, 3, 5}のとき、A∪B={1, 2, 3, 4, 5}、A∩B={2, 3}である。ある集合Uの部分集合だけを考えるとき、集合Uを全体集合という。たとえば、実数の集合だけを考えるときには、実数全体の集合が全体集合であり、平面上の点集合だけを考えるときは、平面上の点全体の集合が全体集合である。Uを全体集合とし、Aをその部分集合とする。Aに属さないUの元の全体をAの補(余)集合といい、A′などと書く( の③)。このとき次の関係が成り立つ。(1) A∪A′=U, A∪∅=A
(2) A∪A=A(吸収法則)
(3) A∪B=B∪A(交換法則)
(4) (A∪B)∪C=A∪(B∪C)(結合法則)
(5) A∩(B∪C)=(A∩B)∪(A∩C)(分配法則)
(6)(A∪B)′=A′∩B′(ド・モルガンの法則)
また次の関係も成り立つ。
(1)′A∩A′=∅, A∩U=A
(2)′A∩A=A
(3)′A∩B=B∩A
(4)′(A∩B)∩C=A∩(B∩C)
(5)′A∪(B∩C)=(A∪B)∩(A∪C)
(6)′(A∩B)′=A′∪B′
これら2組みの演算法則(k)と(k)′の間には次の関係がある。すなわち、(k)の記号∩、∪、U、∅をそれぞれ∪、∩、∅、Uで置き換えると(k)′になる。またこの逆も成り立つ。これを双対(そうつい)の原理という。二つの集合AとBについて、a∈Aでb∈Bである対(a, b)の全体をAとBの(直)積集合といい、A×Bと書く。A={1, 2}、B={a, b, c}であるとき、
A×B={(1, a), (1, b), (1, c), (2, a), (2, b), (2, c)}
である。XとYをともに実数全体の集合とするとき、X×Yは、実数s、tの対(s, t)の全体となり、これは平面上の点の全体の座標の集合と考えることができる( の④)。集合Aの部分集合の全体からなる集合をAのべき集合という。A={1, 2}のとき、Aのべき集合は{∅,{1},{2},{1, 2}}である。
[西村敏男]
『矢野健太郎著『集合』(1973・共立出版)』▽『ヴィレンキン著、柴岡泰光訳『集合の話』(1975・東京図書)』▽『細井勉著『集合・論理』(1982・共立出版)』▽『小林善一著『算数と集合』(1972・東洋館出版社)』
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典
しゅう‐ごう シフガフ【集合・聚シュウ合】
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岩石学辞典
集合
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栄養・生化学辞典
集合
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