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雌しべ【めしべ】

日本大百科全書(ニッポニカ)

雌しべ
めしべ

雌蕊(しずい)ともいう。被子植物にみられる雌性の複合器官で、花の中央部に位置する。雌しべは心皮(しんぴ)が胚珠(はいしゅ)を包み込んで閉じたもので、1枚の心皮が1個の雌しべをつくる離生心皮性の場合と、複数の心皮が合着して1個の雌しべをつくる合生心皮性の場合とがある。離生心皮性の場合は、一つの花に心皮と同じ数の雌しべがあることになる。被子植物では、胚珠が雌しべの中に包まれているため、裸子植物のように花粉が直接に胚珠につくことができず、雌しべは普通、花粉を受ける柱頭、胚珠を入れる子房、柱頭と子房を連結する花柱の3部に分かれる。しかし、原始的な雌しべでは、花柱の分化が不完全であることが多い。とくにモクレン目デゲネリア科のデゲネリア属Degeneriaやウインテラ科のドリミス属Drimysの雌しべでは、心皮は二つ折りになったまま縁(へり)は組織的に合着せず、合わせ目全体が柱頭となる。被子植物では胚珠が雌しべで保護されることにより昆虫などによる損傷が少なくなり、風媒よりもはるかに有効な送粉方法である虫媒を可能とし、これによって地球上での大発展を遂げえたと考えられる。

[田村道夫]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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