●雲仙岳【うんぜんだけ】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
雲仙岳
うんぜんだけ
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知恵蔵
雲仙岳
(井田喜明 東京大学名誉教授 / 2007年)
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デジタル大辞泉
うんぜん‐だけ【雲仙岳】
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監修:松村明
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世界大百科事典 第2版
うんぜんだけ【雲仙岳】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
雲仙岳
うんぜんだけ
長崎県島原半島(しまばらはんとう)の中央部にある火山群の総称。西日本火山帯に属する。古くは温泉岳(うんぜんだけ)とも書かれた。富士山とともに国の特別名勝に指定されている。この火山群は、北側の千々石(ちぢわ)断層と、南側の布津(ふつ)、金浜(かなはま)両断層の間にある雲仙地溝内におもに噴出した、デイサイトと安山岩からなる複合火山である。約50万年前に活動を開始し、前期には火砕流やマグマ水蒸気爆発を中心とする噴火がおきていた。その後、溶岩流や溶岩円頂丘(溶岩ドーム)を中心とする噴火活動に移行した。活動の中心は雲仙地溝の西部で始まり、約15万年前からは、東側の、現在の普賢岳(ふげんだけ)の位置に移動した。
平成新山(後述)の噴火前に記録されていた噴火は、1663年(寛文3)と1792年(寛政4)の2回しかない。1792年には、デイサイト溶岩の流出のあと、強い地震によって東山麓(さんろく)にある古い溶岩ドームである眉山(まゆやま)が大崩壊し、岩屑なだれが有明海(ありあけかい)に突入して津波を引き起こした。この津波によって島原半島内や天草(あまくさ)、肥後(ひご)(熊本県)の沿岸で死者約1万5000人を出し、有史以来、日本最大の火山災害となった。この岩屑なだれによって生じた流れ山によって島原湾内に多くの小島が生じた。これが秩父ヶ浦(ちちぶがうら)から島原港外にかけて散在する九十九島(つくもじま)である。
1990年(平成2)から始まった噴火では、約4000年ぶりに溶岩ドームを山頂部につくる本格的な噴火活動がおこった。成長中の溶岩ドームが崩れて火砕流(熱雲)が繰り返し発生した。1991年6月3日には、火砕流で43名の犠牲者が出た。1995年2月に終息した火山活動で形成された溶岩ドームは長さ1.8キロメートル、幅0.8キロメートル、高度差約0.4キロメートルの大きさで、平成新山と命名され、国の天然記念物に指定された。
雲仙岳には平成新山(1483メートル)、普賢岳(1359メートル)、国見岳(くにみだけ)(1347メートル)、妙見岳(みょうけんだけ)(1333メートル)の諸峰があり、妙見岳には仁田(にた)峠からロープウェーが架設され、妙見岳から天草、阿蘇(あそ)、長崎方面への展望はすばらしい。春のツツジ、冬の霧氷の見物も仁田峠―妙見間を核としている。また、これらの山々に自生するミヤマキリシマ、イヌツゲ、シロドウダンは国指定天然記念物。標高約700メートルの地点には温泉地があって、雲仙天草国立公園の観光基地をなしている。2009年(平成21)には、普賢岳を含む島原半島全体が「島原半島ジオパーク」として世界ジオパークに認定された。
[石井泰義・諏訪 彰・中田節也]
『西日本新聞社編・刊『'91雲仙岳噴火報道写真集』(1991)』▽『長崎新聞社編・刊『鳴動普賢岳雲仙岳噴火写真・記録集』(1992)』▽『土質工学会・地盤工学会編・刊『雲仙岳の火山災害――その土質工学的課題をさぐる』(1993)』▽『森田敏隆写真『日本の大自然22 雲仙天草国立公園』(1995・毎日新聞社)』▽『高橋正樹・小林哲夫著『九州の火山 由布・鶴見岳 九重山 阿蘇山 雲仙岳 霧島山 桜島』(1999・築地書館)』▽『朝日新聞社編・刊『週刊続日本百名山29 朝日ビジュアルシリーズ英彦山・由布岳・阿蘇山・大崩山・雲仙岳』(2002)』
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精選版 日本国語大辞典
うんぜん‐だけ【雲仙岳】
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