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電気陰性度【でんきいんせいど】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

電気陰性度
でんきいんせいど
electronegativity
原子が化学結合をつくるとき電子対をひきつける強さを表わす尺度。異なる2原子から成る化学結合A-BにおいてAのほうがBより電気陰性度が大きければ,電子対はA原子のほうに引寄せられ,A-B結合はイオン性を帯びるようになる。その程度は両原子の電気陰性度の差が大きいほど著しい。 L.ポーリングフッ素の電気陰性度を 4.0とし,これを基準として他の元素の値を決めた。周期表において 18族元素を除いて右上に位置する元素ほど電気陰性度が大きく (陰性元素) ,左下に位置する元素ほど小さい (陽性元素) 。 R.マリケンは別に原子のイオン化エネルギーと電子親和力の平均値によって,電気陰性度を定義したが,この値はポーリングの値とほぼ比例関係を示す。

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デジタル大辞泉

でんき‐いんせいど【電気陰性度】
分子内で、原子または原子団どうしが結合するとき、相手電子を引きつけようとする度合い。

出典:小学館
監修:松村明
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編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

電気陰性度
 原子が化学結合する場合に電子を引きつける能力.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

でんきいんせいど【電気陰性度 electronegativity】
化学結合状態にある原子が,その原子の結合に関与している電子を引きつける度合を表す尺度で,値が大きいほど電子をよく引き寄せる。異なる原子A,Bの間の結合A-Bにおいて,AとBの電気陰性度に差があるとこの結合に関与する電子は一方に引き寄せられ,結合のイオン性が大きくなる。結合A-B,A-A,B-Bの結合解離エネルギーの実測値をDAB,DAA,DBBとすると, ⊿ABDAB-(DAADBB)/2はこのようなイオン性の尺度と考えられる。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

電気陰性度
でんきいんせいど
electronegativity

分子内で一つの原子がその原子自身に電子を引き付ける能力をいう。たとえば、2種の異なる原子からなる分子A―Bがあるとき、これらのAとBの原子の電気陰性度の差が大きいほど、結合にあずかる電子は一方の原子に引き付けられることとなり、結合のイオン性が大きくなる。これに対し、電気陰性度の差が小さくなり零に近くなるほど、電子は2原子に共有される度合いが大きく、共有結合性が強くなる。

 電気陰性度の尺度を決めるには、種々の意見があり、実際にあうような考え方がいくつか提出されているが、次の三つの方法がもっともよく知られている。

(1)1932年、アメリカのL・C・ポーリングによって提唱されたもので、結合エネルギーを基にして計算されている。すなわちA―Bにおけるイオン性の寄与をΔABとしたとき、A―AやB―Bのような結合は同種元素間の結合であるから、イオン性は小さいとみなし、それぞれの結合エネルギーDAB,DAA,DBBの間には

のような関係が成立すると考え、各種元素のΔABを求める。そしてこのイオン性の寄与が、AとBとの間の電気陰性度(それぞれχAおよびχBとする)の差に対応するものと考え、単位を電子ボルトeVに換算して、

という式を満足させるようなχA、χBなどの値を求め、これを各原子の電気陰性度とする。これをポーリングの電気陰性度という。

(2)1934年、アメリカのR・S・マリケンによって提唱されたもので、各原子のイオン化ポテンシャルI(電子を一つ取り去るときに必要なエネルギー)と電子親和力E(電子を一つ付加するときに放出されるエネルギー)との和に関連した値をとっている。すなわち彼は、電気陰性度が分子内での二つの原子間のIEとの平均値に比例することを理論的に証明した。この考え方はきわめて妥当なもので、その値もポーリングの電気陰性度と比べて3.15で割ったときほぼ対応した値となる。

(3)これらに対し、1958年にオールレッドAlbert Louis Allred(1931― )とロコウEugene George Rochow(1909―2002)が新しく提唱した実測による方法は、実際にあうものとしてきわめてよく用いられる。すなわち、一つの結合にある電子は、クーロンの法則によってZ*e2/r2Z*はその電子に及ぼす有効核電荷)のような力を受けるが、これを実測の値と対応させて、電気陰性度χは、

という式で表し、これからすべての元素の電気陰性度を求めている。

 以上のような考え方からもわかるように、電気陰性度の値は、一つの元素についていえば結合する相手の原子が違えば変わってくるし、また分子構造が変わり結合状態が違ってくると変わるが、一般的にはもっとも普通の状態の値をとることが多い。現在多く用いられるのがオールレッド‐ロコウの値である。

[中原勝儼]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

でんき‐いんせいど【電気陰性度】
〘名〙 分子内で、原子が結合を形成したときの電子を引きつける強さ。マリケンの定義したものとポーリングの定義したものがある。

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

電気陰性度
デンキインセイド
electronegativity

原子が結合を通して電子を引きつけ,電気的に陰性になる度合をいう.電気的に陰性になる程度は,相手原子の種類によって異なる.任意の組合せに対してこの程度を予見しうるように各元素に固有な数値を与えたものが電気陰性度目盛である.電気陰性度目盛の定め方には,L.C. Pauling(ポーリング)(1932年)によるものと,R.S. Mulliken(マリケン)(1934年)によるものとがあるが,両者の目盛の間には一定の関係がある.AとBの原子からなる結合では,電気陰性度の差が大きいほど結合のイオン性は増大するから,結合エネルギーに対するイオン性の寄与 ΔAB(kcal mol-1)も大きくなる.Paulingは ΔAB がA-Bの結合エネルギー DAB とA-A,B-Bの結合エネルギー DAADBB の平均値との差で表されるとした.実験値から,

となる.種々の ΔAB を決定して,

の関係ができるだけ満足されるように χAχB を定め,これらをA,Bの電気陰性度とした.前式の根号内の値はeVに換算したものである.一方,Mullikenの考えによれば,共有結合性分子A-Bのイオン形式A Bの生成エネルギーは,Aのイオン化エネルギー IA とBの電子親和力EB の和,IAEB で表され,同様にA Bについては,IBEA で表される.したがって,AとBのどちらが電気的に陰性になるかは,

IAEAMA

などとするとき,MAMB の大小で決められる.Mとχの間には,

MAMB = 2.78(χAχB)

の関係がある.Paulingによる電気陰性度の値を表に示す.表の値より任意結合A-Bのイオン性は次式で求められる.

イオン性(%) = 16|χAχB| + 3.5|χAχB|2

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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