●電流【でんりゅう】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
電流
でんりゅう
electric current
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デジタル大辞泉
でん‐りゅう〔‐リウ〕【電流】
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世界大百科事典 第2版
でんりゅう【電流 electric current】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
電流
でんりゅう
electric current
通常、電荷群が連続的に動く現象をいう。水の分子群が連続的に動く現象を水流とよぶのに似ている。正電荷の流れる向きを電流の向きと定めてある。電流の担体は多くの場合電子であり、電子は負電荷を帯びているから電子の動く向きと電流の向きとは反対になる。
電流はその生ずるメカニズムに従って次のように分類されている。
(1)導体内や真空中、たとえばブラウン管内の自由電子が電界によって力を受けて動くために生ずる電流を伝導電流という。
(2)電解質溶液中のイオンの運動のように、帯電した粒子が電界によって力を受けて動くために生ずる電流を携帯電流あるいは運搬電流という。
(3)原子内で軌道運動している電子や電子スピンあるいは核スピンによって生ずる電流を束縛電流という。
電流は流れる向きが一定しているか、時間とともに変わるかによって2種類に大別される。電池から流れ出る電流のように、向きが一定している電流を直流電流または単に直流といい、家庭などに配電されている電気のように、流れる向きが周期的に変わる電流を交流電流または単に交流という。
以上は電荷の運動によって生ずる電流であるが、たとえばコンデンサーに交流電圧が加えられた場合、コンデンサーの極板間には電荷の流れはないが、極板間に電流が流れているときと同じ磁気作用を周囲に生ずる。このことからコンデンサーの中には電流が流れていると考えるほうが合理的である。このように電荷の運動によらない電流を変位電流という。
電流の作用の著しいものに、磁気作用、発熱作用、化学作用がある。電流の磁気作用とは、電流の周囲に磁界が生ずる現象をいう。電流の磁気作用については、ビオ‐サバールの法則でその強さおよび向きが表されている。さらにこの法則から導き出されるアンペールの周回積分の法則に変位電流の効果を含めたアンペールの法則で、電流によって生ずる磁気現象のすべてが表されている。電磁石はこの作用を利用したものである。また磁界中に電流があるときは、電流は磁界から力を受ける。この力をローレンツ力とよんでいる。電動機はこの作用を利用したものである。電流の発熱作用とは、電流が物質中を流れるとき熱を発生する現象をいう。このようにして発生した熱をジュール熱とよんでいる。発生する熱量については、電流の強さの2乗と抵抗および電流が流れる時間に比例するというジュールの法則が成り立つ。この現象を利用したものが電熱器である。これに対し、電気機器やコンピュータなどでは、この熱の発生は電力の浪費となるだけでなく、機器の動作に対して有害である。電流の化学作用とは、電流が塩、酸その他の水溶液中を流れるときに、溶質の成分または二次反応の結果生ずる物質が電極に析出する現象をいう。これを電気分解とよんでおり、析出する物質の量と電流の関係はファラデーの(電気分解の)法則で表される。
電流の単位はアンペア(A)で、「真空中に1メートルの間隔で平行に置かれた無限に小さい円形断面を有する無限に長い2本の直線状導体のそれぞれを流れ、これらの導体の長さ1メートルごとに力の大きさが2×10-7ニュートンの力を及ぼし合う不変の電流を1アンペアとする」と定義してある。1アンペアの電流は1秒間に1クーロンの電荷を運ぶ。交流の場合は強さが絶えず変化するので、電流の瞬時値の2乗の平均の平方根をとった実効値を用いる。
[布施 正・吉澤昌純]
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精選版 日本国語大辞典
でん‐りゅう ‥リウ【電流】
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化学辞典 第2版
電流
デンリュウ
electric current
電荷の運動に伴って起こる電気量の巨視的な移動.その大きさは,任意の断面積について単位時間に通過する電気量によって表す.MKSA単位系および国際単位系(SI単位)ではアンペア単位が用いられ,符号については正電荷の運動方向を正と約束する.電流は運動する荷電粒子が電子であるかイオンであるかに従って,それぞれ電子電流およびイオン電流に分けられる.また,半導体のエネルギー帯の充満帯中にできる正孔を伝わって電子が動く場合の電流は,正孔電流とよばれ,誘電体中に交番電場を加えた場合に誘電分極によって流れる電流は,変位電流あるいは分極電流とよばれる.一般に,電流はジュール熱の発生を伴い,磁場をつくり,また電解などの化学作用(この場合の電流を電解電流という)を起こすことができる.
出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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