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青磁【せいじ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

青磁
せいじ
緑色 (うわぐすり) のかかった磁器色は釉中の鉄分が還元炎で焼成されて発色したもの。初め中国で発達し,東アジア各地に広まった。中国では・南北朝時代頃から作られはじめ,宋代において完成。制作の年代,窯,状,模様などによって数十種類に分類されるが,耀州,臨,修内司,竜泉窯などのものがすぐれている。朝鮮では中国の影響を受けて高麗時代に焼造された高麗青磁が著名で,独特の象眼青磁が創始された。日本では江戸時代中期から作られ,兵庫県の三田 (さんだ) 焼が特に有名。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

あお‐じ〔あを‐〕【青磁/青×瓷】
平安時代に焼かれた、緑色の釉(うわぐすり)を表面にほどこした陶器

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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せい‐じ【青磁/青×瓷/青×甆】
素地や釉(うわぐすり)微量分を含み、還元炎で焼成して青緑色に発色させた磁。また、その色。酸化によって黄緑色・黄褐色を呈するものもある。中国で発達。日本での本格的な焼成は江戸初期の有田焼に始まる。

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防府市歴史用語集

青磁
 の粉を原料にして形をつくり、鉄を含んだ釉薬[ゆうやく]をかけて焼いた器です。鉄が色を出し、青や緑がかった色になります。

出典:ほうふWeb歴史館
Copyright 2002,Hofu Virtual Site Museum,Japan
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世界大百科事典 第2版

せいじ【青磁】
陶磁器の一種。釉薬の中に含まれる鉄分が還元炎焼成によって青く発色した焼物。ときに黄色になったり,灰青色になったりする場合もあるが総じて青磁と呼ぶ。中国では青磁は浙江福建を中心に発達したが,のちには華北河南陝西でも盛んとなり,中国の磁器生産の中心となった。 青磁の起源については,紀元前14世紀ごろ,殷時代の中期に,器面に灰釉をはけなどで器面に塗布して高温で焼き上げたものを,自然釉と区別して〈原始青磁〉と呼んでいる。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

青磁
せいじ
磁器の一種。原則として器面は清澄な青緑色を呈するが、これは釉薬(ゆうやく)(うわぐすり)および素地(きじ)に微量に含まれる酸化第二鉄が、強力な還元焼成によって酸化第一鉄に変化するためである(この過程でわずかでも酸化炎を受けると釉色は黄変して黄緑色・黄褐色になり、俗に「酔っぱらう」などとも称されるが、意図的に黄色の青磁色を現したものは米色(べいしょく)青磁ともよばれる)。幽邃(ゆうすい)な美を秘めた青磁は東洋以外では焼造されることがなく、東洋文化を象徴するとともに、東洋陶磁史の骨格を形成する基本的な存在でもある。[矢部良明]

中国の青磁

中国で創始された青磁は、釉薬をかけた焼物としては最古とされ、その起源は、紀元前14世紀ころの殷(いん)代中期(鄭州(ていしゅう)期)にまでさかのぼる。これは原始青磁といわれるもの(器胎に灰を塗って釉薬としたもの)で、中国中部の河南省(鄭州市二里岡)や湖北省(黄陂(こうは)県盤竜城)、南部の江西省(青江県呉城)などに出土例をみるので、おそらく新石器時代末期に江南に登場する印文(いんもん)陶(自然釉がかかる器面に印文のある硬陶(こうとう))が改良されたものと推測される。現代の中国にはこの原始青磁を青磁といいきる研究者もおり、その根拠として胎土(たいど)の組成や焼成温度、吸水率などが磁器としての条件を備え、その釉薬が石灰釉で鉄分が呈色剤になっていることを発表している。
 前6世紀ころ(春秋時代)の江蘇(こうそ)省の遺跡(呉県夷陵山(いりょうさん))から出土した青磁(き)は、徐々に青磁が進歩しつつあることを物語るが、本格的に青磁が熟成するのは後漢(ごかん)時代(1~2世紀)以降で、近年、中国南部の浙江(せっこう)省北部沿岸の寧波(ニンポー)市、上虞(じょうぐ)県に古窯址(し)が発見されている。これは上記の殷鄭州期から1300年ほども経過しており、いかに青磁がその完成までに長期間を要したかが理解されよう。近くの蕭山(しょうざん)県、紹興県には春秋時代の灰釉陶の古窯址も発見されていることなどを考え合わせると、新石器時代の自然釉印文硬陶以来、この浙江省北部において、青磁の技術が磨き抜かれてきたことは疑いない。
 浙江省北部は「越」とよばれたことから、そこで産した青磁は越磁(えつじ)といわれ、その窯(かま)は越窯(えつよう)または越州窯と称され、長い中国の青磁史の母胎をなすものとされている。後漢から三国時代(3世紀)を経て西晋(せいしん)時代(4世紀)に頂点を迎える越磁は、じみながら質実な青緑・青灰色を有して俗に「古越磁」ともよばれ、六朝(りくちょう)時代(魏(ぎ)晋南北朝、220~589)には天鶏壺(てんけいこ)、神亭壺などに代表される独自の造形を創案して一時期を画した。そして同時代後半には、古越磁系の窯は北の江蘇、南の福建・江西・湖南の各省へと広がっていく。そして六朝末から隋(ずい)時代(581~618)へかけてはその技術を北朝が受け止め、寿州窯(安徽(あんき)省)、賈壁(かへき)村窯(河北省)、安陽窯(河南省)などが誕生した。
 隋・唐代の越磁(青磁)生産の実態には不明なところが多いが、晩唐から五代へかけての9~10世紀になると、産業革命の時流を受けて越磁は浙江省北部を中心にふたたび躍進し、製品は日本、朝鮮、東南アジア、西アジアから東アフリカにまで輸出された。とくに五代の呉越(ごえつ)国の支配下にあった時代(907~978)には、毛彫り、透(すかし)彫り、片切(かたきり)彫りなどの豊麗な文様を加えた精品を完成させた。これは秘色(ひそく)青磁とよばれ、朝貢品にもあてられている。これが機縁となって、11世紀後半の北宋(ほくそう)初期には、のちに汝(じょ)官窯の名で青磁の神品とたたえられる汝州窯(河南省)や耀州(ようしゅう)窯(陝西(せんせい)省)など北方青磁の名窯が築かれた。また13世紀ころの南宋官窯には、玉(ぎょく)にも勝る優品と評される修内司(しゅないじ)窯、郊壇(こうだん)窯(浙江省杭州)がある。また南宋後期(13世紀)には、越州窯の支窯であった竜泉窯(浙江省)が南宋官窯に触発されて、みごとな釉色をもつ砧(きぬた)青磁を焼造し、日本にも大量に輸出されたものが伝世している。竜泉窯は元(げん)代(14世紀)を経て明(みん)代後期(16世紀)に作行きが低調になり、やがて透明性の強い灰緑色の青磁へと変じていってしまうが、日本では元代の竜泉窯を天竜寺青磁、明代のそれを七官(しちかん)青磁とよんでいる。以後、青磁は焼物としては主流の座を降りたが、清(しん)代になって景徳鎮(けいとくちん)窯で宋代青磁の倣作(ほうさく)が盛んに行われ、現在もなお浙江省を中心に焼造されている。[矢部良明]

朝鮮・日本その他

中国に次いで優れた青磁は朝鮮半島で焼造された。その創始は10世紀(高麗(こうらい)時代初期)で、中国の越州窯の陶技を受けた草創期の窯(全羅南道康津郡や仁川広域市)が発見されている。12世紀には「翡色(ひしょく)」とよばれる絶妙な青色の高麗(こうらい)青磁を完成させ、さらに12世紀後半には赤土、白土を象眼(ぞうがん)して文様を表す繊細巧緻(こうち)な象眼青磁を案出して独自の作風を誇り、李朝(りちょう)の15~16世紀まで続行された。とくに白磁の名窯としても名高い道馬里窯(京畿道広州郡)でも青磁が併焼された。
 ベトナムでは陳(ちん)王朝下の14世紀に青磁が焼かれ、タイでも同じ時期のスコータイ王朝下でスワンカローク窯(宋胡録(すんころく)青磁)が開かれ、やや時期が下ると北部タイにおいてサンカンペン窯、パン窯がそれぞれ青磁を産した。
 日本では江戸時代初頭の17世紀に有田(佐賀県)の伊万里(いまり)焼が初めて本格的な青磁の焼成に成功し、技術的には鍋島(なべしま)焼(佐賀県)が最高水準に達したあと、江戸末期には全国各地で青磁が焼かれて一時の流行をみた。現在は主として陶芸作家が自己の芸術表現の手段として手がけている。[矢部良明]
『小山冨士夫著『陶磁大系36 青磁』(1978・平凡社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

せい‐じ【青磁・青瓷・青
〘名〙 生地・釉(うわぐすり)に微量の鉄分を含有し、還元炎焼成すると青緑色を呈する陶磁器。中国では古くから焼かれていたが、宋代に至ってすぐれたものが作られた。朝鮮、タイや日本でも焼出され、日本の古陶では鍋島焼や京焼、三田焼(さんだやき)のものがよく知られている。あおじ。
※蔭凉軒日録‐永享九年(1437)九月一五日「賜青磁桶香炉而有竹之命
※評判記・色道大鏡(1678)一五「中央の朱塗の卓に青磁(セイヂ)の香炉をかざり」 〔枕中記〕

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旺文社世界史事典 三訂版

青磁
せいじ
青緑色または淡黄色の釉 (うわぐすり) をかけた磁器
中国で漢代に作られ,ヴェトナム・朝鮮・日本などに伝来。五代までは浙江 (せつこう) 省の越州窯 (えつしゆうよう) が主産地。宋代には焼造技術が飛躍的に向上し,北宋の河南の汝窯 (じよよう) ,南宋官窯や竜泉窯 (りゆうせんよう) で産するものは特に有名で,西アジア・ヨーロッパにまで流布した。

出典:旺文社世界史事典 三訂版
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