●非訟事件【ひしょうじけん】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
非訟事件
ひしょうじけん
jurisdictio voluntaria; freiwillige Gerichtsbarkeit; juridiction gracieuse
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デジタル大辞泉
ひしょう‐じけん【非訟事件】
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世界大百科事典 第2版
ひしょうじけん【非訟事件】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
非訟事件
ひしょうじけん
裁判所が、私人間の生活関係(民事・商事)に関する事柄を通常の訴訟手続によらずに、簡易な手続で処理するものをいう。私人間の生活関係の処理は、原則的に各自の意思に任されているが、国家の後見的介入が必要とされる事柄もある。たとえば、一般人に影響の多い生活関係を監督したり(法人の事務や清算の監督)、自分自身で財産の管理や生活ができない者のために、後見人、財産管理人、遺言執行者などの選任・監督をしたり、また、生活関係の新たな形成について自主的な協議が調わない場合の処理(たとえば、親権者の指定、遺産分割)をする必要などである。これらの事項のうち、沿革的理由ないし政策的配慮から裁判所の所轄とされているものが非訟事件であり、このような事件の処理のために、一般法として非訟事件手続法(平成23年5月25日法律第51号、平成25年1月1日施行)が制定されている。この非訟事件手続法は、1898年(明治31)に制定された旧非訟事件手続法(明治31年法律第14号)を全面的に見直したもので、新法では国民が理解しやすいように、管轄、当事者および代理人、審理および裁判の手続、不服申立て等の手続の基本的事項に関する規定を整備し、参加、記録の閲覧謄写、電話会議システム等による手続、和解等の当事者等の手続保障の拡充が行われた。
この法律は、非訟事件の手続についての通則を定めるとともに、民事訴訟事件、公示催告事件および過料事件の手続を定めている。非訟事件は、日本国内に住所がないときなどは居所地を管轄する裁判所が取り扱い、日本国内に居所もないときなどは最後に住んでいた住所地を管轄する裁判所が取り扱うこととされている(同法5条)。
非訟事件における手続代理人は、法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ手続代理人となることができない。ただし、第一審裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を手続代理人とすることができる(同法22条)。
なお、民事訴訟手続と非訟手続との差異は、次のとおりである。(1)民事訴訟手続では、公開の口頭弁論を開くのに対して、非訟事件手続では、口頭弁論を開くというたてまえを採用していない。(2)民事訴訟手続では、原則として当事者が提出した資料のみを裁判所の資料とするたてまえ(弁論主義)をとるが、非訟事件手続では、裁判の基礎資料につき必要があれば裁判所が職権で探知することができる。(3)民事訴訟手続では、慎重な裁判の形式によって下された判決に対して不服があるときは、さらに控訴、上告という二度の不服申立てを認められているが、非訟手続では、簡略な形式による決定が下され、これに対する不服申立ても抗告という形式になっている。(4)非訟事件の決定内容については、裁判所の裁量余地が広く、一度なされた決定も、不当と認めるならば取消し、変更がかなり自由に認められるが、訴訟事件の判決では、このようなことはない。
[竹内俊雄 2016年5月19日]
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精選版 日本国語大辞典
ひしょう‐じけん【非訟事件】
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