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【カバン】

デジタル大辞泉

かばん【×鞄】
革やズックなどで作り、書類その他の物を入れる携帯用具。
(かばんに金を入れることから)選挙に必要な資金の俗称。「地盤」「看板」と合わせて「三ばん」という。
[補説]中国語「夾板(キャバン)」の転とも、オランダ語のkabasから出た語ともいわれる。中国では、「鞄」の字はなめし皮、また、それを作る職人のこと。

出典:小学館
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日本大百科全書(ニッポニカ)


かばん

1人の人間が持ち運んだり、あるいは動かしたりすることのできる範囲の、概してじょうぶな材料でできた洋風の物入れのこと。語源はかならずしも明確でないが、一般には櫃(ひつ)・箱の意の中国語夾板(キャバン)もしくは夾槾(キャマン)の転訛(てんか)語で、「鞄」の造字をあてたものとされている。「文明開化」の語をモットーに、明治以後急速に西洋化していったものの一つにさまざまな身の回り品がある。今日のことばでいえば、広義でのアクセサリーということになるが、その普及速度は、一般に衣服の本体よりもはるかに急速なのが特徴である。ここでの鞄もその一つであり、こうした鞄には、小は個人が身辺に提げたり持ったりする程度の大きさから、大は等身大の旅行鞄に至るまでの広範囲にまたがって、種別、用途、材料などにもさまざまなものがあった。

[石山 彰]

日本

日本の初期の鞄は手胴乱(または手乱)といったが、1877年(明治10)ころになると丸型や角型の手提げ、学生鞄、支那(しな)鞄などが現れ、とりわけ支那鞄は柳行李(やなぎごうり)にかわるものとして使われるようになった。スーツケースやバスケットが登場するのは明治30年代、オペラバッグ(いまのハンドバッグ)は同40年代、トランクやボストンバッグが登場するのは大正時代になってからである。

[石山 彰]

西洋

携帯用の袋や鞄が明確化するのは、中世のなかばにサラセン風を取り入れて登場するオモニエールaumonière(腰帯につるす袋)で、これが袋物や鞄のいわば原型となった。またポシェットpochetteなどもこの一種とみられ、もともと十字軍遠征の影響によるものであった。オモニエール型の重用は18世紀まで続き、19世紀に入ってからは、これまでの皮革やカンバスに加えてズックやゴム引き布などの出現とも相まって、各種の鞄類に分化していった。

 20世紀も後半になると、ビニルや合成皮革など新素材の開発、また、自動車、鉄道列車、飛行機など旅行の普及による需要で、多様な鞄類が出現した。他方、トランクに類するものも古くから存在した。中世は主として木製の櫃型で、それに皮を張ったり鉄製の金具が施されたりした。こうして大型のものは、近世まで馬の背や馬車によって運ばれたが、近来は交通機関の発達とともにこの様相も一変した。

[石山 彰]

種類

こうした鞄類の呼称は、一般には英語のバッグ、ケース、サック、トランクなどの範囲にまたがって、およそ以下のような各種に及んでいる。ハンドバッグhandbag(女性が財布や小物を入れて手や腕に提げて持ち歩く鞄)、ショルダー・バッグshoulder bag(肩から下げたり肩にかけたりして持ち歩く鞄)、ボストン・バッグBoston bag(両側に持ち手のついた、開き口が大きく底が長方形の袋型の鞄。1920年代、アメリカのボストン大学の学生間から始まった)、スーツケースsuitcase(服一そろいと着替えを入れる程度の旅行鞄)、ブリーフケースbriefcase(書類を入れる比較的薄手の折り鞄)、トランクtrunk(旅行用の大型鞄)などがある。他方、英語外の外国語から入ったものには、オランダ語のランドセルransel(小学生用の背負い鞄)、ドイツ語のルックザックRucksack(おもに登山用の背負い袋)、ドイツ語のナップザックKnappsack(きっちりした背負い袋)、フランス語のアタッシェ・ケースattachécase(大・公使の随員が持ち歩く書類入れ用の平たい角型鞄)などがある。

[石山 彰]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

かばん【鞄】
〘名〙 (ふみばさみの意の中国語「夾板」の日本読み「きゃばん」または、櫃(ひつ)の意の中国語「夾槾」の日本読み「きゃばん」「きゃまん」から出た語。「鞄」は元来、なめし皮、また、それを作る職人の意。明治期に「かばん」にあてたもの) 皮またはズックなどで作り、中に物を入れる携帯用具。もとは今のトランクのような形のものをさしたが、現在では通勤通学などに用いる手軽なものをいう。
※新潟新聞‐明治一〇年(1877)四月七日「是を以て今カバンの中を掻探し、反古にひとしき鼻紙の皺を展べ」
[語誌]幕末・明治初期の対訳辞書等における訳語には見あたらず、明治一〇年頃までの小説等には「胴乱」という語がこの意で使われていた。「かばん」は、一〇年代から二〇年代にかけて急速に定着していく。

出典:精選版 日本国語大辞典
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