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順応【じゅんのう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

順応
じゅんのう
adaptation
一般的には生物がその環境に,より適したものに変化していく現象をさすが,遺伝的変異自然選択が働くものと遺伝的変化を伴わないものとに区別される場合,特に J.ピアジェによれば,後者適応に対して順応という。また順応には,環境に対して個体自身が変化する場合と環境を変化させる場合とがあり,前者を調節,後者を同化と呼び,これらが生体のレベルで生理的に行われる場合と心理的なレベルで行動的に行われる場合とに区別される。

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デジタル大辞泉

じゅん‐おう【順応】
[名](スル)じゅんのう(順応)

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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じゅん‐のう〔‐オウ〕【順応】
[名](スル)《「じゅんおう」の連声(れんじょう)
環境や境遇の変化に従って性質や行動がそれに合うように変わること。「新しい生活に順応する」「順応性」
外界からの刺激に対して、感覚器官が慣れていくこと。「明暗順応

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栄養・生化学辞典

順応
 →馴化

出典:朝倉書店
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ナビゲート ビジネス基本用語集

順応
人が自分の内的状態や機能および行動を生活環境に適合させること。1)感覚的順応と、2)社会的順応がある。 1)は、感覚器官が一定の刺激を受け続けた結果、その刺激に慣れ、感覚の質・明瞭さ等が低下することをさす。たとえば、明るい場所から暗い場所に移ったとき目が見えなくなる。しばらくたつとその中でもある程度目が見えるようになる。これを暗順応といい、逆の場合を明順応という。 2)は適応と同義

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世界大百科事典 第2版

じゅんのう【順応】
生物個体の生理的性質が,環境条件の変化に応じて,生存に有利な方向に徐々に変化する現象。たとえばメダカなどの淡水魚が徐々に塩水になれて,最終的に海水でも生活できるようになる塩分順応,高温や低温で飼育された動物が,それぞれ高温や低温に強くなる温度順応,空気の希薄な高地に数日~数週間滞在すると血中ヘモグロビンが増加し,心臓の機能が調整されて平常に近い活動ができるようになる高度順応など,さまざまの環境要因にたいする順応がある。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

じゅんおう【順応】
スル
じゅんのう順応

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

じゅんのう【順応】
スル
環境や境遇の変化になれること。 環境に-する -性
生物体の機能・性質・状態が、与えられた外部条件の持続的な変化に応じて変化すること。
感覚器官が同一刺激を連続して受容すると、それに対する感受性が低下する現象。匂いに対する嗅覚の順応や視覚の明順応・暗順応の類。 → 暗順応明順応

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精選版 日本国語大辞典

じゅん‐おう【順応】
〘名〙 (普通、連声で「じゅんのう」と発音する) ⇒じゅんのう(順応)

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じゅん‐のう ‥オウ【順応】
〘名〙 (「じゅんおう」の連声)
① 環境や境遇に従ってこれに適応すること。
※翁問答(1650)下「仁義の心を根として順応(ジュンオウ)の時にかなひて用るを」
※明暗(1916)〈夏目漱石〉一五〇「臨機に自分を相手なりに順応(ジュンオウ)させて行く巧者も」
② 心理学で、児童の能力に応じて、興味をもたせるように実験や指導の方法を変化させることをいう。
③ 生物学・生理学で、生体が一定の持続的な刺激を受け、それに適応するように変化すること。反応と異なり、多少ともゆるやかな時間的経過をとるものをいう。目の明暗順応が代表例。広義には適応・順化と同義に用いる。〔哲学字彙(1881)〕

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最新 心理学事典

じゅんのう
順応
adaptation
順応とは,一般には環境や状況の変化に適応することをいうが,感覚・知覚領域では通常,同じ刺激を持続的に与えられることによってその刺激に対する感度が低下すること(感覚的順応sensory adaptation)を指す。本項で述べる感覚的順応はすべての感覚系に遍在するしくみであり,環境が大きく変化するもとで感覚系が効率よく働く基盤となっている。たとえば,太陽光と暗い星明かりとでは光強度は108~1010倍ほども違うが,人間は昼夜を通して,視覚を頼りに周囲の様子を知ることができる。人間の眼の網膜には,感度の異なる光受容細胞として桿体rodと錐体coneの2種類しかなく(錐体には通常,同調波長の異なる3種類がある),この2種類のみで大きな光強度変化に対応できているのは,それぞれが順応というしくみを備えているからにほかならない。

【感覚的順応のメカニズム】 明るい環境から暗い環境に移動すると直後は何も見えないが,しばらくすると薄暗い光を感じるようになり,徐々に周囲の様子が見えてくる。この現象は環境の光強度の低下に伴って視覚系の感度が向上することによるもので,暗順応dark adaptationとよばれる。なお,暗順応が視覚系の感度向上であるというのは,順応を感度低下とした前述の説明と矛盾するかもしれないが,これは暗順応を暗さに対する感度が低下する(暗いと感じにくくなる)ことととらえると矛盾しない。

 網膜上の同じ位置における光点の閾値を,暗い環境に入ってからの経過時間に対してプロットした曲線は,暗順応曲線とよばれる。342ページ図は,注視点から少しずれた位置に光点を呈示した際の暗順応曲線の概形を示す。時間が経過するにつれ閾値が下がり,約30分後には感度が最大に達する。この暗順応曲線の特記すべき特徴は,8分から10分ほど経過した時点で屈曲点(コールラウシュの屈曲点Kohlrausch kink)が現われることである。この屈曲点以前では閾値付近の光点に対して色覚があるが,以後では色は感じられない(Hecht,S.,Haig,C.,& Chase,A.M.,1937)。すなわち,屈曲点以前の曲線は網膜に存在する2種類の光感受細胞のうち明所視および色覚の基盤となる錐体の性質を反映しており,後の曲線は暗所視の基盤となる桿体の性質を反映している。錐体の暗順応は速いが,感度はある程度までしか上昇せず,10分ほどで感度変化が生じなくなる。これに対して桿体の暗順応は遅いが,時間をかけて,錐体よりも格段に弱い光でも感知できるレベルまで感度が上昇する。光点が投射されている網膜上の位置(中心窩の周辺部)には桿体と錐体の両方が存在するため,初めは暗順応の速い錐体の特徴が曲線に反映され,遅れて桿体の暗順応が顕在化して感度が一段と向上する。屈曲点は,桿体と錐体それぞれに依拠する暗順応曲線の交点というわけである。

 暗順応の生理学的メカニズムは,光感受細胞に含まれる色素の分解と再合成に基づいている。たとえば,桿体一つには約1000万個のロドプシンという色素が含まれており,ロドプシンは光量子を吸収するとオプシンとレチナールに分解される。ロドプシンの分解が引き金となって桿体の活性化が起こるが,一度分解された色素は酵素の働きにより再合成されるまで,新たな活性化プロセスにかかわることができない。明るい光のもとではほとんどのロドプシンが分解されている状態,すなわち飽和状態となっているため桿体の感度は低い。ところが暗い環境に入ってある程度の時間が経過すると,徐々に再合成された状態を保つロドプシンの量が増え,桿体の感度が上がるというしくみである。色素の再合成にかかる時間はロドプシンで30分,錐体の色素で6分と大きく異なっており,このことが桿体と錐体の暗順応時間特性の違いにかかわっている。

 暗順応の状況とは反対に,暗い環境から明るい環境に移動すると(例:長いトンネルを抜けた時),一瞬まぶしく感じて周囲が見えないが,すぐに周囲が見えるようになる。この現象は明順応light adaptationとよばれる。明順応は,暗順応の逆のメカニズムによって視覚系の感度が低下する現象である。明順応は,暗順応に比べて急速に進むが,これは色素の分解が再合成とは違って即時に起こることによる。

 視覚に関してはほかにも色や運動,傾きなど,さまざまな視覚的特徴への順応が生じることが知られている。明るさの順応では,網膜の受容器レベルの細胞の機構が大きな役割を果たすと考えられるが,他の順応にはより高次の細胞の関与が示唆されている。感覚的順応は視覚だけでなくすべての感覚系に遍在するしくみであり,知覚の恒常性や,把握行動(触覚の順応)にも深くかかわっていると考えられている。

順応水準adaptation level(AL)】 感覚的順応は,知覚の基準の変化としてとらえることもできる。暗順応・明順応でいえば,基準となる輝度が周囲の輝度に従って更新され,そこからの変化量を主観的な明るさとして知覚するというものである。知覚の基準の変化を生じさせるという点で順応に似ているのが,馴化habituationという現象である。感覚的順応がある刺激に持続的にさらされた直後に生じるごく短時間の感覚変化であるのに対して,馴化は通常断続的に長期間さらされた刺激に対して生じる感覚の変化であり,たとえば自分の家の匂いに鈍感になることなどが挙げられる。馴化は長期にわたって持続する点や,識別感度に影響が見られないなどの点でも感覚的順応とは異なっており,学習がかかわっていると考えられている。

 ヘルソンHelson,H.(1948,1959,1964)は,刺激の知覚やそれに伴う判断は,同じ状況で呈示される他の刺激の強度やそれまでの知覚経験によって規定される準拠枠frame of referenceの内側で生じると考えた。そして,準拠枠に基づいて順応水準(中性,もしくは平衡状態として知覚される刺激レベル)が導かれ,これと与えられた刺激の強度との大小関係および差異の大きさに基づいて,具体的な刺激の知覚および判断が行なわれるという順応水準説adaptation level theoryを提唱した。なお,この説において,順応ということばは,感覚的順応だけでなく馴化などを含んだ広義の適応過程を意味することに注意してほしい。順応水準説を用いると,知覚の恒常性や対比などさまざまな知覚現象を説明することができる。たとえば,刺激強度についての判断を求める実験において,刺激系列中に直接判断を求めない刺激(係留刺激anchor stimulus)を挿入すると,後続の刺激についての判断が変わることが知られている(係留効果anchoring effect)。これは係留刺激によって順応水準が変化したことによると説明される。順応水準説は,現在では社会的態度や社会的行動,情動反応など,知覚以外のさまざまな分野にも適用されている。 → →感覚 →視覚 →知覚
〔薬師神 玲子〕

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