●類型学【るいけいがく】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
類型学
るいけいがく
Typologie
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デジタル大辞泉
るいけい‐がく【類型学】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
類型学
るいけいがく
typology
類型論ともいう。限定された期間における個人の行動の恒常性が、ある一群の人々に共通してみられるという事実を基礎に、一定の原理に従い組織的に類型を決定し、多様な性格をそれによって分類、理解していこうとする研究の立場。20世紀前半のヨーロッパ、とくにドイツの人間学・性格学の考え方が背景になっており、個人を、統計的方法による量的把握ではなく、全体像として質的に把握しようとする。考え方や基準の違いによりさまざまな研究があるが、シュプランガーやユングの心理学的類型論、イェンシュErick Rudolf Jaensch(1883―1940)の人間学的類型論、クレッチマーやシェルドンWilliam Herbert Sheldon(1899―1977)の体質類型論などが代表的である。
類型学は個人の全体像を容易に把握できる点で優れているが、典型を重視するあまり中間型・移行型を無視し、他の特徴を見逃したり、実際にはない特徴まで包括してしまう危険性、および静的・質的把握にとらわれ、性格の変化する動的側面や程度の差をとらえられない欠点もある。新しい展開として、類型と因子分析によるパーソナリティー因子との接近に期待される。
[木村 裕]
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精選版 日本国語大辞典
るいけい‐がく【類型学】
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最新 心理学事典
るいけいがく
類型学
typology
代表的な類型学には,体質的・生物学的特徴による類型として,ドイツの精神医学者クレッチマーは『体格と性格』(1921)を著わし,三大精神病の体型と病前性格から,細長型-分裂質(非社交的,静か,内気,変わり者),肥満型-躁うつ質/循環型気質(社交的,善良,親切,温かみ),闘士型/筋骨型-てんかん質(熱中しやすい,几帳面,凝り性,秩序)と発育異常型に分けた。さらに『天才の心理学』(1948)を著わし,芸術作品や学者の業績には,性格による特色があるとした。シェルドンSheldon,W.H.は身体の各部を計測して,内胚葉型-内臓緊張型,中胚葉型-身体緊張型,外胚葉型-頭脳緊張型を取り上げたが,これは健常者についての研究である。心理的特徴による類型として,シュプランガーSpranger,E.は,価値をおく生活様式によって,理論型・経済型・審美型・宗教型・権力型・社会型の六つに分類した。ユングはスイスの精神科医・心理療法家で,フロイトFreud,S.から大きな影響を受け,抑圧による無意識としての個人的無意識personal unconsciousに加えて,遠い祖先の時代から受け継いだ人類共通な集合的無意識collective unconsciousを提唱した。そこにはわれわれの祖先の経験や知恵が含まれ,無意識の領域には多くの葛藤の解決法が存在しているとしている。その活用の仕方に相異なる二つのタイプがあって,一方は客体としての外的世界に興味を向け,他方はむしろ自己自身(主体)に興味をもつとして,外向型extrovert typeと内向型introvert typeに分かれるとした。正常な場合,前者は迎合的,一見打ち解けた,気さくな態度を特徴とし,後者は躊躇,反省,引っ込み思案を特徴とするという。さらに,これら心的エネルギーの方向性とは別に,思考,感情,感覚,直感から成る四つの心の機能というものを考えて組み合わせて,八つの基本的性格タイプに分類している。さらに主要機能を補完する機能があり,優越機能が外向であれば,劣等機能は内向となるなど,力学的な補償関係で理解している。このユングのタイプ論に基づいてMBTI(Myers-Briggs type indicator)性格検査が開発されている。類型学は,個人の全体像を簡便につかむことのできる点で優れるが,典型的なパターンに注目してしまうために中間型や移行型を見過ごすことや,実際にはない特徴までも包含してしまうなどのリスクが指摘されている。 →気質 →人格 →分析心理学
〔杉山 憲司〕
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