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飛翔【ひしょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

飛翔
ひしょう
flight
動物が大気中を飛ぶこと。動物が初めて飛したのは約2億年前の中世代のことで,ゴキブリを大きくしたような昆虫と考えられている。脊椎動物では,翼竜のような爬虫類が知られている。現生の動物では鳥類のほとんど,コウモリなどの哺乳類の一部,昆虫類の大部分が翼や翅を使って巧みにはばたき,飛翔する。またトビウオなどの一部魚類,哺乳類のムササビや両生類のトビガエルなどは翼をもたないが,鰭や皮膜を使って滑することが知られている。
飛翔には基本的に運動のエネルギーによるはばたき飛行 winged flightと,位置のエネルギーによる滑空 glidingの2種類がある。定温動物 (鳥類とコウモリ) がはばたき飛行をするためには,進化の過程で体の構造をさまざまに変化させる必要があった。鳥類を例にとれば,一対の前肢が翼に変形した。骨は中空になって軽量化するとともに,胴部の骨格が融合して箱型になり,はばたきの力を有効に使えるようになった。食べた物をすぐに排泄することで大腸を省略し,生殖器官も非繁殖期には縮小するなど,内臓の減量化に成功している。重心の面では,歯や顎の筋肉は嘴に置換され,頭部が軽くなったので安定が良くなった。また比較的重い消化器官を翼と脚の付根にくるように配置し,飛翔と歩行時の重心のずれを解決している。さらに,はばたきの力を生みだす心臓と胸筋の強化,安全に飛翔するための視覚や聴覚の発達などあらゆる面で変化が起った。一方,昆虫では翅が発達したが,これは肢が変化したものではなく,体表全体をおおっている角質が特殊化したものである。これらのはばたき飛翔する動物にもたらされた恩恵は大きい。種の多さや個体数の多さを考えてみると,昆虫,鳥類,コウモリは最も繁栄した動物グループといえるからである。
滑空には,いわゆる重力による滑空とソアリング (帆翔あるいは滑翔。 soaring) の2種類がある。さらに重力による滑空には,方向を定めて飛立つものと,水平の動きは風にまかせてゆっくり降下する受動的なものがある。方向を定める重力滑空を行う動物には,体のさまざまな部位に,翼の代りとなる特殊な器官を備えたものが多い。例えば,魚類では胸鰭を大きく発達させたトビウオ,両生類では大きな蹼 (みずかき) をもつトビガエル,爬虫類では伸縮自在の皮膜を体側にもつトビトカゲ,哺乳類では前肢と後肢の間に皮膜を発達させたヒヨケザルやムササビ,モモンガなどである。トビトカゲで約 60m,ヒヨケザルで 130m以上滑空できるといい,尾や手足が方向舵の役目をしている。ソアリングは長時間はばたかずに滞空することである。コンドルやアホウドリなどの大型の鳥とオオカバマダラなどの昆虫が,この方法を獲得した。風が一様に吹いているときにソアリングを試みる動物に必要なのは,自分の沈下速度を超える上昇速度をもつ気流を捉えることである。風の進路が妨げられて上昇気流が生れる山脈や海辺の崖縁付近,また太陽光によって大地が暖められ,大気中に熱の循環が起るときがソアリングに適した条件といえる。また大気中の小さな気流の乱れからも,鳥たちは飛翔のエネルギーを得ることができる。アホウドリの体重は約 7kgに達するが,翼開長約 2.4mという巨大な翼で海面近くの風速の勾配をとらえ,次々と旋回しながら上昇と降下を繰り返すことで,かなりの距離を滑翔することができる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

ひ‐しょう〔‐シヤウ〕【飛×翔】
[名](スル)空高く飛びめぐること。「大空を飛翔する」

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション

ひしょう【飛翔】
山形の日本酒。「清泉川」の蔵元が精米歩合40%で造る吟醸生酒。原料米は美山錦。仕込み水は地下50mから汲み上げる天然水。蔵元の「オードヴィ庄内」は明治8年(1875)創業。所在地は酒田市浜中乙。

出典:講談社
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世界大百科事典 第2版

ひしょう【飛翔 flight】
昆虫,鳥,コウモリなどの動物が行う飛翔には,さまざまな方法があるが,最も典型的なのは,はばたき飛行flapping flightであろう。そのほかにも,滑空glidingや空中停止飛行hovering(ホバリングともいう)などもよく見られる。はばたき運動はほとんどの飛翔動物に見られる。停止飛行は小さい昆虫類が得意とするが,顕花植物と共生関係にあるハナバチチョウの類ではとくにこの能力が重要である。鳥類ではハチドリの仲間が行う。

出典:株式会社平凡社
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精選版 日本国語大辞典

とび‐かけ・る【飛翔】
〘自ラ四〙 空高くとんでいく。ひしょうする。
※書紀(720)仁徳四〇年二月・歌謡「隼は 天(あめ)に上り 等弭箇慨梨(トビカケリ) 斎槻(いつき)が上の 鷦鷯(さざき)捕らさね」

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ひ‐しょう ‥シャウ【飛翔】
〘名〙 空中を飛びかけること。
※随筆・文会雑記(1782)附録「大鳥の海上に浮み来りしを、山中某鳥銃にて風きりの羽を打切しかば、飛翔する事よく能はず」 〔戦国策‐楚策〕

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