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食中毒【しょくちゅうどく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

食中毒
しょくちゅうどく
food poisoning
有害因子を含んだ食物を摂取することによって起る中毒。ただし,腸チフス赤痢のような伝染性疾患や寄生虫症は除かれる。メチルアルコール性の着色料,各種防腐剤,人工甘味料などの化学物質によるものや,きのこ,フグなどの自然毒によるもの,あるいは貝中毒のようにその中間型などもあるが,多くは各種細菌に起因する。代表的な病原菌にはサルモネラボツリヌス菌ブドウ球菌病原性大腸菌などがある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵

食中毒
食物や水などを介して人に健康障害を引き起こす現象の総称。食品の安全性に及ぼす最大の要因。食中毒の発症には、(1)サルモネラ菌、ボツリヌス菌、大腸菌O157などによる細菌性食中毒赤痢菌コレラ菌などによる経口伝染病炭疽菌などによる人畜共通伝染病など微生物によるもの、(2)カビ類が作るアフラトキシンなどの毒素によるもの、(3)ノロウイルスなどによるウイルス性食中毒、(4)ふぐ毒、きのこ毒などの自然毒によるもの、(5)水銀カドミウム残留農薬、環境ホルモンなどの化学物質によるもの、(6)その他、BSEプリオン、食物アレルギーなどがある。これらの中で最も発症率が高いのは細菌性食中毒で、全体の80%以上を占める。これらの菌は加熱調理で死滅する。冷凍すると生育は止まるが死滅しないものが多い。
(的場輝佳 関西福祉科学大学教授 / 2008年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

デジタル大辞泉

しょく‐ちゅうどく【食中毒】
有毒物質の含まれた飲食物を摂取したことによって起こる中毒の総称。嘔吐(おうと)・腹痛下痢などの症状がある。腸炎ビブリオぶどう球菌サルモネラ菌・病原大腸菌ボツリヌス菌などによる細菌性のもの、キノコフグなどの自然毒によるもの、青酸水銀などの化学物質によるものに分けられる。食あたり食品中毒

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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とっさの日本語便利帳

食中毒
食物中の病原体や毒素などを摂取することによって起こる。キノコなどによる食中毒もあるが、ほとんどが細菌性食中毒で、ブドウ球菌、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ、ボツリヌス菌、セレウス菌カンピロバクターによる食中毒などがある。

出典:(株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」

栄養・生化学辞典

食中毒
 飲食に由来する疾病で,主に消化管炎症による下痢,嘔吐,腹痛など.

出典:朝倉書店
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家庭医学館

しょくちゅうどく【食中毒 Food Poisoning】
◎8割は、細菌感染が原因
[どんな病気か]
 細菌とその毒素、自然毒、化学物質などの有害なものがまじった食品を食べたり、これらのものを食品と誤認して食べたりしておこる病気が食中毒(食品中毒)です。ただし、食品を媒体とした場合も、赤痢(せきり)やコレラのような感染力の強い感染症や回虫症などの寄生虫病(きせいちゅうびょう)、異物による物理的・機械的障害、食品自体による食物アレルギーなどは、食中毒には含めません。
●種類と発生頻度
 食中毒は、細菌性食中毒、自然毒による食中毒、化学物質による食中毒の3群に大別できます。保健所に届けられた食中毒の約8割は細菌性食中毒でもっとも多く、残りが自然毒による食中毒と化学物質による食中毒です。
 赤痢や腸チフスは、近年、きわめて少なくなりましたが、食中毒は、毎年、多数の病人を発生させています。
●養生の基本
 体力の消耗を最小限にとどめることが重要です。トイレへの往復は避け、おまるを使いましょう。全身の保温、とくに腹部と手足を簡易カイロなどで暖めると、腹痛や不快感が和らぎます。毒物を早く体外に出す必要があるので、かってな判断で嘔吐(おうと)や下痢(げり)を薬で止めてはいけません。
 脱水(だっすい)になりがちなので、飲めるようなら少しずつ何回も湯茶を飲みます。ただし、果汁や炭酸飲料は避けます。
 最初の1日は絶食し、病状が好転してきたら、おもゆから徐々にふつう食にもどしていきます。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

しょくちゅうどく【食中毒 food poisoning】
有毒な物質が食物とともに経口的に摂取されたときに起こる,人体の機能障害(中毒)をいう。食中毒の原因となるもの(病原物質)は,細菌,自然毒(フグや毒カマスなどの動物性自然毒,毒キノコや毒ゼリなどの植物性自然毒),化学物質(メタノール,メチル水銀など)に分けられる。寄生虫によるものやウイルスによるものは,食中毒としては扱わない。細菌性食中毒はさらに感染型(サルモネラ菌属,腸炎ビブリオなど),食品内毒素型(ブドウ球菌,ボツリヌス菌など),生体内毒素型(ウェルシュ菌,毒素型大腸菌など)に大別される。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

食中毒
しょくちゅうどく
food poisoning

細菌をはじめ自然毒や化学物質など生理的に有害または有毒なものが、食品に混入されたり食品と誤認することにより経口的に摂取されておこる疾患の総称で、かつて「食あたり」とよばれたものも含まれる。しかし、同様に食品を媒体とする疾患でも、赤痢やコレラなどの経口伝染病、回虫や条虫などの寄生虫症、異物による物理的・機械的障害、あるいは食品自体による食物アレルギーなどは、食中毒に含めない。

[柳下徳雄]

歴史

人類は経験によって、食べられるものと毒(自然毒)のものを区別してきたわけで、食中毒は人類の歴史とともに存在した疾患といえる。その後も生活環境と衛生観念の水準が低かった時代は、飲食物が細菌などに汚染される機会がきわめて多く、また食糧不足から汚染食品や腐敗食品を口にすることも十分に考えられ、当然ながら子供や病弱者が多数犠牲となってきた。近代科学の発祥期(18~19世紀)にはプトマイン中毒が注目された。これは食品中のタンパク分解産物である有毒アミン(プトマイン)による中毒として長く信じられてきたが、細菌学の発展に伴いサルモネラ菌やボツリヌス菌が原因菌として証明されるようになり、食中毒の原因としてプトマインは影が薄くなった。その後、耐熱性のブドウ球菌による毒素が注目され、第二次世界大戦後には腸炎ビブリオによる食中毒が発見されたことにより、原因不明の食中毒が60~80%といわれていたものが30%まで低下した。さらに医学の進歩でカンピロバクター、病原大腸菌、ウェルシュ菌、セレウス菌、小型球形ウイルスなども食中毒の原因となることが判明し、1999年以降は原因物質不明が5%程度となっている。

[柳下徳雄]

動向と対策

日本では、食品衛生法により、医師が食中毒と診断(疑いも含む)を下した場合は最寄りの保健所長まで、ただちに届け出ることになっているが、これによると、年間発生件数は500~3000件、患者数が3万~6万人というところで、年によって事件数と患者数に差はあるが、減少の傾向は認められない。これは経口伝染病患者の激減ぶりと対照的で、いかに食中毒の予防が困難であるかを物語っている。患者数が多いのはサルモネラ菌、腸炎ビブリオ、小型球形ウイルス、O157などを含む病原大腸菌による食中毒で、ウェルシュ菌、カンピロバクター、ブドウ球菌と続く。死亡者数はサルモネラ菌食中毒(サルモネラ腸炎)がもっとも多く、腸炎ビブリオ症、ブドウ球菌食中毒、ボツリヌス菌食中毒と続く。

 食中毒対策の一つとして、1996年(平成8)に厚生省(現厚生労働省)が制度を設けた総合衛生管理製造工程のなかの、食肉製品・乳製品の製造工程に、HACCP(ハサップ)システムの採用が省令で義務づけられた。これはアメリカのアポロ計画における宇宙食の開発にあたって、高度に安全性を保証するシステムとしてNASAが開発したもので、HACCPはHazard Analysis(危害分析)とCritical Control Point(重要管理点)の略である。食品の製造・流通プロセスについて工程ごとに食品の安全性に害を与える微生物、化学物質、異物は何があるのか、それに対して、どの工程でどのような対処をするのかを解析し、危害の発生防止のうえで、きわめて重要な管理点について、管理が適正に行われているときに守られているべき基準を定め、それをどのように監視(モニタリング)するのか、基準をはずれたときは、どのような対策をとればいいかを分析して対処法を決め、工程上の作業は標準作業手順書として文書化し、だれが作業する場合でも間違わないようにし、またモニタリングの結果などは記録して、HACCPプランどおりに実行している証拠にするというものである。HACCPシステムは世界的に有効性を認められ、日本でもO157をはじめとした食中毒予防の効果的な対策として期待されている。

[柳下徳雄]

分類

食中毒の分類は、おもに原因別のものが用いられ、細菌性食中毒(約83%)、ウイルス性食中毒(約15.6%)、自然毒食中毒(約1.1%)、化学物質食中毒(約0.4%)に大別される。

[柳下徳雄]

細菌性食中毒

感染型と毒素型とがある。感染型は、食品とともに摂取されたサルモネラ菌、病原大腸菌、腸炎ビブリオなどの病原細菌が体内で増殖することによっておこり、毒素型は、食品とともに摂取されたボツリヌス菌やブドウ球菌などの病原細菌が増殖するときに生じた毒素によっておこるものである。またプトマインによるアレルギー様中毒なども含まれる。

 一般に、細菌性食中毒は発生頻度は大であるが、致命率は低い。主症状は発熱、悪心(おしん)、嘔吐(おうと)、腹痛、下痢であるが、感染型は毒素型と異なり発熱が多くみられ、また全身のだるさ、頭重、悪寒などの前駆症状もよくみられる。嘔吐は毒素型が感染型より激しく、下痢は逆に感染型が激しい傾向がある。毒素型のボツリヌス菌食中毒では胃腸障害のほか、複視や意識障害などの神経症状がみられるので、鑑別する必要がある。

 細菌性食中毒の多くは3日以内に軽快し、1週間以内で回復するが、ボツリヌス菌食中毒は経過が長く、中毒発生後、4~8日以内に球麻痺(きゅうまひ)(延髄麻痺)で死亡したり、また回復までに数週間から数か月を要することもある。一般に食中毒は経過が早く、嘔吐や下痢による脱水症状が顕著となるので、治療は輸液療法が中心となる。

 感染型の細菌性食中毒には抗菌薬療法も必要で、毒素型のボツリヌス菌食中毒には抗毒素血清療法、すなわち多価ボツリヌス抗血清を早期に点滴静脈注射する。そのほか対症療法としての薬物療法や食事療法などが行われる。食事療法は、1日くらい絶食し、悪心や嘔吐がなくなれば水分を経口的に十分与え、流動食から粥(かゆ)食にし、1日2~3回の便になったら常食に戻していく。絶食中は温めた番茶などを与えるが、冷たい飲み物などは避ける。

 予防としては、十分に加熱した食品をとるほか、調理段階での汚染防止、ネズミ、ゴキブリの駆除や保菌者の治療、食品の冷蔵などを心がける。また、加熱で破壊されない毒素もあるので、食べ残しを煮直して食べるのは危険である。

[柳下徳雄]

ウイルス性食中毒

小型球形ウイルスはかぜ症状を伴う下痢症の原因と目され、カリシウイルスによる下痢症は汚染魚介類の摂食や汚染された飲料水や河川などで感染し、学校・軍隊などの集団生活でしばしば発生をみる。

[柳下徳雄]

自然毒食中毒

発生件数はもっとも少ないが死亡者数はもっとも多く、とくにフグ中毒の致命率は高い。動物ではフグのほか、ドクカマスや貝類など、植物では毒キノコやドクウツギなどによるものがある。予防としては、フグの素人(しろうと)料理を避け、疑わしいものは食べないことである。

[柳下徳雄]

化学物質食中毒

メチルアルコール、ヒ素、有機リン、有機水銀など有毒な化学物質に汚染された飲食物を摂取することによりおこる。

 なお、自然毒食中毒や化学物質食中毒の場合は一般の中毒治療法に準じ、胃洗浄、催吐、瀉下(しゃげ)などにより毒物の排除を行う。

[柳下徳雄]

『飯田広夫著『食中毒の話』(1982・北海道大学図書刊行会)』『本田武司著『食中毒学入門――予防のための正しい知識』(1995・大阪大学出版会)』『三瀬勝利著『食中毒はなぜ頻発するのか――病原大腸菌O‐157事件の教訓』(1997・日本図書刊行会)』『丸山務著『食中毒は予防できる』(1999・主婦と生活社)』『日本食品保全研究会編・春田三佐夫監『食品保全研究シリーズ5 HACCPにおける微生物危害と対策』(2000・中央法規出版)』『本田武司著『食中毒の科学――あなたを守る知識ワクチン』(2000・裳華房)』『日本薬学会編、篠田純男著『家庭で防げる食中毒』(2001・丸善)』『厚生労働省医薬局『食中毒統計』(2001・厚生統計協会)』『細貝祐太郎・松本昌雄監著、荒川修・伊藤武・井部明広・植村興・斉藤和夫・西島基弘・野口玉雄・広末トシ子著『食品安全性セミナー1 食中毒』(2001・中央法規出版)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

しょく‐ちゅうどく【食中毒】
〘名〙 飲食物中に含まれる有毒物質の摂取による急性消化器疾患。悪寒、嘔吐(おうと)、下痢、腹痛、発熱などを示す。原因としてはサルモネラ菌、病原大腸菌、腸炎ビブリオなどの細菌によるもの、ボツリヌス菌、ブドウ球菌の細菌性毒素によるもの、毒草、毒キノコなどの植物性自然毒によるもの、アサリ、フグなどの動物性自然毒によるもの、リン、水銀、砒素、メチルアルコールなどの有害物質によるものなどがある。食傷。傷食。食品中毒。食あたり。

出典:精選版 日本国語大辞典
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