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食道狭窄【しょくどうきょうさく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

食道狭窄
しょくどうきょうさく
stenosis of the esophagus
食道の内腔が種々の原因で狭くなり,食物の通過障害が起る状態をいう。 (1) 機械的食道狭窄 食道異物食道炎および潰瘍食道腫瘍食道憩室などが原因となる。 (2) 機能的食道狭窄 食道麻痺,食道けいれん,アカラジアなどで起る。治療には,まず原因の除去を行う。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

しょくどう‐きょうさく〔シヨクダウケフサク〕【食道狭×窄】
食道の一部が狭くなった状態。食物を飲み込むときの障害や嘔吐(おうと)などの症状がある。(がん)、潰瘍(かいよう)の瘢痕(はんこん)などによって起こる。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

食道狭窄
 食道の一部がなんらかの原因で狭くなった状態.

出典:朝倉書店
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家庭医学館

しょくどうきょうさく【食道狭窄 Esophageal Stenosis】
[どんな病気か]
 食道の内腔(ないくう)が細くなった状態で(狭窄)、飲食物が通りにくくなります。
[原因]
 食道炎、食道潰瘍(しょくどうかいよう)、食道損傷などの食道の病気の後遺症である瘢痕(はんこん)(組織のひきつれや盛り上がり)が原因になるほか、プランマービンソン症候群、強皮症(きょうひしょう)の症状としておこるものもあります。
[治療]
 ブジーという器具を入れ、食道の内腔を広げる拡張術を行ないます。
 これで効果がなければ、食道と胃との間に飲食物の別のルートをつくるバイパス手術が行なわれます。バイパス手術には、胃を持ち上げてきて、狭窄をおこした部位より上の健康な食道とつなぐ方法と、結腸を切り取ってきて、健康な食道と胃とをつなぐ方法とがあります。
 狭窄部位のある食道を切除したり、狭窄部に金属ステントを挿入する場合もあります。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

しょくどうきょうさく【食道狭窄】

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

しょくどうきょうさく【食道狭窄】
食道の一部分が狭まって、物を飲み込むことが困難になった状態。食道癌がん、潰瘍の瘢痕はんこんなどにより起こる。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

食道狭窄
しょくどうきょうさく
先天性もしくは後天性に食道の一部に狭窄を生じたものであり、先天性のものの多くは離乳期(生後6か月ごろ)以降になって初めて発見されることが多い。狭窄の診断は食道造影や内視鏡により行われる。狭窄の原因は、先天性では気管原基迷入型、繊維性狭窄、膜様狭窄に大きく分けられる。後天性食道狭窄としては食道腫瘍(しゅよう)(おもに食道癌(がん))によるものと瘢痕(はんこん)性によるものとがある。
 瘢痕性狭窄の原因としては、(1)酸やアルカリなどの腐食性毒物を誤って、あるいは自殺目的で飲んだ場合、(2)逆流性食道炎、(3)手術後や内視鏡治療後の瘢痕性狭窄がある。腐食性毒物の嚥下(えんげ)による食道炎の治療においては、急性期と瘢痕が形成された慢性期とではまったく異なってくる。嚥下後比較的間もない急性期では、症状や全身状態の程度によるが、喉頭(こうとう)や咽頭(いんとう)の内視鏡による観察のほか、必要に応じて気管切開や気管内挿管による気道の確保、および誤嚥の防止を行う。また、瘢痕狭窄を予防するために、定期的な内視鏡的拡張術が必要になることもある。慢性期においては、狭窄の範囲が数センチメートル以下と比較的狭い場合はブジーによる拡張や電気メスによる切開が行われる。狭窄の範囲が広範でブジーによる拡張が困難な場合は食道切除や食道空置(くうち)によるバイパス手術が適応になることもある。なお、食道空置とは、食道を切除せず、ほかの消化管(胃、大腸、小腸など)を用いてバイパスする技法である。
 癌性の狭窄に対しては、まず癌に対する治療(手術、抗がん剤、放射線など)が第一に考慮されるが、これらの治療が困難な場合、姑息(こそく)的な治療として食道ステントが留置されることがある。「姑息的な治療」とは、palliative therapyの日本語訳で「根治を目的とした治療ではなく、症状を改善し、クオリティ・オブ・ライフquality of life=QOL(生活の質)の向上を目的とする治療」を意味する医療用語であり、「症状緩和のための治療」ともいえる。患者の違和感や疼痛(とうつう)の強い上部食道、胃内容物の逆流が問題となる胃食道接合部などステント留置が適さない場合や、狭窄が強すぎてステント留置が不可能な場合には、経皮的に胃内に栄養を注入することを目的に胃瘻(いろう)を造設することがある。胃瘻造設は開腹下に造設する場合と、内視鏡的に造設する場合があるが、近年では内視鏡技術の進歩により内視鏡的に胃瘻を造設するPEG(Percutaneous Endoscopic Gastrostomy)が普及している。[掛川暉夫・北川雄光]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

しょくどう‐きょうさく ショクダウケフサク【食道狭窄】
〘名〙 食道の、全長または一部が器質的に狭くなった状態。先天性のものと、後天性のものがあり、後天性のものは食道癌、または薬物腐食による瘢痕性(劇薬服用による自殺未遂の際などに起こる)のものが多い。嚥下(えんげ)障害、嘔吐(おうと)が主症状。

出典:精選版 日本国語大辞典
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六訂版 家庭医学大全科

食道狭窄
しょくどうきょうさく
Esophageal stenosis
(食道・胃・腸の病気)

どんな病気か

 食道は成人で長さ平均25㎝、1周約5㎝の弾力性をもつ管状臓器で、蠕動(ぜんどう)能があります。食道には生理的狭窄(きょうさく)部位があり、食道入口部、気管分岐部、食道裂孔(れっこう)部がそれにあたります。しかし、通常は生理的狭窄部位で食物の通過障害を呈することはありません。

 ここで述べる食道狭窄とは、食道の病気によって物理的狭窄を生じ、食物の通過障害を来した状態です。

原因は何か

 原因には良性疾患と悪性疾患があります。良性疾患としては先天性食道狭窄や重度の逆流性食道炎、自殺・誤飲(ごいん)が原因となる腐食性(ふしょくせい)食道炎に伴う瘢痕性(はんこんせい)食道狭窄などがあります。また、迷走(めいそう)神経系の異常で下部食道噴門(ふんもん)部の弛緩(しかん)不全を呈する食道アカラシアでも、狭窄と通過障害が認められます。

 しかし、最も頻度が高いのは悪性腫瘍の食道がんです。大部分(約95%)は扁平上皮(へんぺいじょうひ)がんですが、小細胞(しょうさいぼう)がん、類基底細胞(るいきていさいぼう)がんやがん肉腫(にくしゅ)などもあります。また、バレット腺がんは増加傾向にあります。食道がんでは早期がんや表在がんでは無症状のことが多いのですが、進行がんになると食道狭窄を生じ、嚥下(えんげ)困難を来します(図6)。

症状の現れ方

 いずれの病態でも、食道狭窄により嚥下困難やつかえ感といった食物通過障害や体重の減少を訴えます。食道がんでは、進行するにつれて胸・背部痛や反回神経浸潤(しんじゅん)による声帯麻痺が生じ、嗄声(させい)(しわがれ声)が出現します。また、食道がんの気管・気管支、大動脈などへの浸潤・穿孔(せんこう)(あな)があく)により、肺炎や出血を来すことがあります。

 一方、アカラシアでは同様に食物がつかえる感じがあり、通過障害や嘔吐などが現れます。固形物よりも冷たい液体が通りにくく、緊張状態や冷水などの寒冷刺激で症状が増悪(ぞうあく)するなどの特徴があるといわれています。

検査と診断

 最も頻度が高い食道がんについて述べます。治療方針選択のために腫瘍の占居部位、病型、深達度(しんたつど)、リンパ節への転移、他臓器への転移・浸潤、組織型を検索します。以下の検査を行い、総合的に進行度を把握します。

①食道X線造影検査

 バリウムを使って造影し、多方向から病変を描出します。

②内視鏡検査

 通常観察に、ヨード液散布法を併用します。がんの部位はヨード不染域として摘出されます。また、生検組織診を行います。

③CT検査、MRI検査、超音波検査

 リンパ節の腫脹や他臓器への転移および隣接臓器への浸潤の有無を検索します。

④超音波内視鏡検査

 病巣の(へき)深達度や所属リンパ節への転移について検索します。

治療の方法

 良性食道狭窄では保存的治療を優先します。

 逆流性食道炎では、プロトンポンプ阻害薬の内服や食道の拡張術を行います。内科的治療では効果がない抵抗性の狭窄に対しては、手術が選択されます。

 食道がんでは、その深達度により治療方針が大きく変わります。それは、粘膜がんではリンパ節転移の可能性が極めて低いのに対し、粘膜下層中層よりも深く浸潤したものでは、40%以上で転移が認められるためです。

①内視鏡的切除術

 壁深達度が粘膜上皮、粘膜固有層の病変は、リンパ節転移が極めてまれで周在性3分の2以上の病変が絶対的適応です。また、壁深達度が粘膜筋板や粘膜下層浅層(200㎛まで)の病変で、臨床的にリンパ節転移のない症例は相対的適応となります。

②外科的切除術

 標準的食道がん根治術は、右開胸開腹胸部食道切除、頸胸腹部(けいきょうふくぶ)3領域リンパ節郭清(かくせい)、胃管再建術です。近年の内視鏡下手術の普及に伴い、食道がん根治術においても胸腔鏡、腹腔鏡が用いられる場合もあります。

③放射線療法、化学療法

 切除ができない症例に対して行われます。また、両者を組み合わせた化学放射線療法も、根治的療法として施行されます。

④食道ステント術

 食道がんないし食道がん治療後の変化による食道狭窄のため、経口摂取困難な症例に対する姑息(こそく)的(一次的)治療として自己拡張型メタリックステントを挿入します。

千野 修, 幕内 博康

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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