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【アメ】

デジタル大辞泉

あめ【×飴】
もち米・サツマイモなどのでんぷんを麦芽作用によって糖化させた、粘りけのある甘い食品。また広く、砂糖を煮つめて香料着色料などを加えて固めたキャンディーも含めていう。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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たがね【×飴】
語義未詳。上代の食物の名という。
「われ今まさに八十平瓮(やそひらか)をもちて、水無しにして―を造らむ」〈神武紀〉

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典

あめ【飴】
①砂糖や水あめを煮詰めて作る固形の菓子。また、菓子などに用いる、砂糖や水あめを煮溶かしたをいうこともある。
②でんぷんを糖化させて作る、甘い食品。砂糖が普及するまでは、重要な甘味料だった。粘液状の水あめと固形のかたあめがある。古くは米のでんぷんを、麦芽など穀類を発芽させたものを用いて糖化させたが、こんにちではさつまいも・じゃがいも・とうもろこしなどのでんぷんを用い、麦芽を用いた伝統的な製法のほか、糖化に酸または酵素剤を用いることも多い。

出典:講談社
(C)Kodansha 2010.
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世界大百科事典 第2版

たがね【飴】

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

日本大百科全書(ニッポニカ)


あめ

菓子の一種。飴菓子のこと。飴は甘い意で、「あまめ」または「甘水(あまみ)」の約転ともいわれる。糯米(もちごめ)、糯アワ、トウモロコシなど、デンプンを含む原料を、麦芽に含まれるデンプン分解酵素のジアスターゼ(糖化酵素)で糖化させると、甘味と粘りのある食品、つまり飴ができる。具体的には、糯米1升(約1.8リットル)を柔らかく蒸し、人肌の温度に冷めたら、麦芽粉1合(約0.18リットル)と、同温の湯8合を加えてかき混ぜ、約5時間ねかせる。甘酒のようにどろりとしたら布袋で漉(こ)し、絞り汁を煮詰めれば水飴ができる。これを汁飴ともいう。水飴をさらに火にかけ、いっそう練って冷却したものが固飴(かたあめ)である。古名に飴を「たがね」とも称したのは、槌(つち)を振るって飴にたがねを打ち込むほど固かったからである。このようにして容器から飴をおこすところから、「おこし飴」の名もある。

[沢 史生]

分類

菓子としての飴は、大まかに分類すれば、水飴か固飴かである。固飴は古代からの麦芽飴(さらし飴)のほか、細工飴に供された有平(あるへい)、朝鮮飴、翁(おきな)飴などの求肥(ぎゅうひ)飴、洋菓子に属するキャンディー(ドロップ、ボンボン、キャラメル、ヌガーなどの総称)類に分けられる。

[沢 史生]

歴史

『日本書紀』には、神武(じんむ)天皇が「われ、いままさに八十平瓫(やそひらか)(たくさんの平たい土器の皿)をもって、水無しに飴(たがね)をつくらん。飴成らば、われ必ず鋒刃(つわもの)の威(いきおい)を仮(か)らずして、坐(い)ながら天下を平げん」と天つ神に戦勝を祈願したとある。そうした固飴が上古に存在したかどうかはさだかでない。具体的に飴が記録されたのは奈良時代である。762年(天平宝字6)の『食物下帳』には、白米を原料として煮糖することが記されているが、この糖は今日の飴とみられる。もとより水飴であったことは、『延喜式(えんぎしき)』に「糖料、糯米一石、萌(もやし)小麦二斗、得三斗七升」と記されているのをみても明らかである。また『和名抄(わみょうしょう)』は飴について「米蘖(もやし)為之」と記しているので、10世紀初めには麦もやしも米もやしも使われていたようである。奈良・平安時代の飴は非常に高価で、間食としての菓子には回らず、もっぱら調味料、薬用であった。後代に「飴を舐(ねぶ)らす」が、まず喜ばせておいて欺く手段、あるいは買収手段の表現に用いられたのは、それほどにも飴が貴重であったからにほかならない。水飴の時代は長く、古代から戦国時代までたいした発展もなく続いた。ただ弘安(こうあん)年間(1278~1288)に豆飴(まめあめ)(後の洲浜(すはま))がつくられている。これは水飴と干し柿(がき)を煮て、冷ましたところへきな粉をあわせたものという。豆飴はきな粉飴の前身である。水飴の栄養は高く評価されてきた。諸大名が御用菓子司を任命したのは、単に折々の茶菓をつくらせるばかりが目的ではなく、合戦や籠城(ろうじょう)に際して、陣中糧食として飴を考えていたからだという。また会津若松(福島県)や、東海道の佐夜の中山(静岡県)には、子持ち幽霊が乳がわりに飴を買いにきた伝説がある。

[沢 史生]

製法

(1)麦芽糖系 水飴の製法は前述のとおりだが、これに砂糖を加えると加熱中に赤みがかってくる。そのまま冷却したのが赤飴であるが、冷却する前に棒にひっかけて伸ばす作業を繰り返すと、飴に気泡が入り、白飴になる。いわゆるさらし飴(痰切(たんきり)飴ともいう)である。

(2)有平糖系 有平はポルトガル語のアルフェロアalfeloaから名づけられた。戦国時代末期に南蛮菓子として渡来した飴で、白砂糖に飴を加え、煮詰めて冷ましたものを棒状とし、花や果実などに細工する。

(3)求肥飴系 白玉粉を蒸し、白砂糖と水飴を加え、練り固める。しなやかな感触が特徴で、のちに上生菓子の材料に移行した。

(4)キャンディーcandy 素材は砂糖と水飴。この糖液を煮詰める温度により、ソフト・キャンディーとハード・キャンディーになる。また砂糖と水飴にゼラチン、寒天、バター、牛乳、香料、チョコレート、コーヒー、木の実、着色料を加え、さまざまなキャンディーがつくられる。

[沢 史生]

郷土銘菓

バター飴(北海道)、黄精(おうせい)飴(岩手県)、五郎兵衛飴(福島県)、梅干飴(東京)、高田飴(新潟県)、みすず飴(長野県)、日坂(にっさか)飴、茶飴(静岡県)、犬山げんこつ飴(愛知県)、甘甘棒(かんかんぼう)(岐阜県)、おこし飴(石川県)、吸坂(すいさか)飴(石川県)、御所飴(京都)、那智黒(なちぐろ)(和歌山県)、松魚(かつお)つぶ(高知県)、朝鮮飴(熊本県)、文旦(ぼんたん)飴(鹿児島県)など。

[沢 史生]

飴と風俗

昭和初期に紙芝居屋がべっこう飴、水飴、さらし飴を売ったが飴と子供のつながりは深く長い。江戸時代から屋台を担いだ飴売り、頭上に藁(わら)製の輪を担ぎ、風車をこれに挿して、太鼓をたたきながらやってくる飴屋がおり、衣装は奇抜で、はでであった。また、ヨシの茎に白飴をつけ、空気を入れて膨らましながら、鋏(はさみ)でさまざまに花鳥、動物を細工する飴細工屋もあった。現代に残る風俗としては、七五三祝いの千歳(ちとせ)飴、長野県松本市の飴市などがある。

[沢 史生]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

あめ【飴】
〘名〙
① 米、あわ、いもなどの澱粉質を糖化させた、粘りけのある甘い食品。水飴、固飴など、いろいろの種類がある。たがね。
※正倉院文書‐天平一〇年(738)月日・但馬国正税帳「〈阿米〉料米壱升 充稲弐把」
※俳諧・曠野(1689)員外「はづかしといやがる馬にかきのせて〈落梧〉 かかる府中を飴ねぶり行く〈野水〉」
② 「あめいろ(飴色)」の略。
※観智院本三宝絵(984)中「其夜乞食の夢にあめなる牛きたりて云」
③ うそをつくこと。うまいことを言ってだますこと。→飴を舐(ねぶ)らせる
※新撰大阪詞大全(1841)「あめとは、たぶらかすこと」
④ 人を喜ばせ、乗り気にさせるもののたとえ。
※現代経済を考える(1973)〈伊東光晴〉III「その実現を促進するためのアメとして、補助金政策をある程度くみこむことは」
[語誌](1)「千歳飴(ちとせあめ)」のように口の中でなめて溶かす固飴、「すはま」「求肥飴(ぎゅうひあめ)」のような柔らかい練り菓子など多様であるが、江戸時代以降粘りけのある褐色の水飴(江戸時代の上方では「汁飴(しるあめ)」)が一般的で、「飴状」「飴色」などの「飴」も水飴のことである。
(2)砂糖で作るものは西洋で発達し、南蛮菓子として一六世紀末にポルトガルなどから伝えられたが、「コンペイ糖」「アルヘイ糖」のように多く「糖」の字が用いられ、「飴」とは区別されていた。「たがね」は「あめ」の古語だが、餠の類とする見方もある。

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たがね【飴】
〘名〙 固めたものの意で、餅や飴(あめ)をいうか。
※書紀(720)神武即位前戊午年九月(熱田本訓)「水無(みつな)しにして、飴(タカネ)を造らむ」

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