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骨髄線維症【こつずいせんいしょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

骨髄線維症
こつずいせんいしょう
myelofibrosis
全身の骨髄組織に大量のコラーゲンが沈着して,広範で系統的な線維化を引起す疾患。原発性と続発性とがある。原発性骨髄線維症は原因不明で,症状としては,(1) 骨髄の広範な線維化と骨硬化,(2) 骨髄外造血による肝臓脾臓腫大,(3) 貧血白血病または赤血病様の血液所見,を3主徴とする。続発性骨髄線維症は白血病,多発性骨髄腫悪性リンパ腫の骨髄転移などに伴して起る。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

こつずい‐せんいしょう〔‐センヰシヤウ〕【骨髄線維症】
造血幹細胞の異常による腫瘍性疾患。線維芽細胞コラーゲンを過剰につくり、骨髄が広い範囲で線維化する。脾腫を伴う。骨髄硬化症

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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家庭医学館

こつずいせんいしょう【骨髄線維症 Myelofibrosis】
[どんな病気か]
 骨髄(こつずい)は、赤血球(せっけっきゅう)、顆粒球(かりゅうきゅう)、単球(たんきゅう)、血小板(けっしょうばん)などの血液細胞をつくる造血組織(ぞうけつそしき)で、おとなでは、からだの中心に近い骨、すなわち胸骨(きょうこつ)、椎骨(ついこつ)、肋骨(ろっこつ)、腸骨(ちょうこつ)などで活発にはたらいています。
 骨髄に障害がおこり、血液がつくられなくなると、脾臓(ひぞう)、肝臓、リンパ節などで、新たに血液がつくられるようになります(髄外造血(ずいがいぞうけつ))。
 骨髄線維症は、この骨髄組織に線維が増殖してきて、血液をつくるはたらきが低下してくる病気です。
 原因は、血液幹細胞(けつえきかんさいぼう)の増殖によると考えられています。最近では、この骨髄線維症のほかに、血液幹細胞の増殖による疾患の慢性骨髄性白血病(まんせいこつずいせいはっけつびょう)、真性多血症(しんせいたけつしょう)、本態性血小板血症(ほんたいせいけっしょうばんけっしょう)をまとめて、骨髄増殖症候群(こつずいぞうしょくしょうこうぐん)と呼びます。
 がんの骨髄への転移や悪性リンパ腫(しゅ)などの病気にともなっておこってくるものは続発性骨髄線維症(ぞくはつせいこつずいせんいしょう)と呼びます。
[症状]
 この病気になるのは中高年の人が多く、貧血と、脾臓が腫(は)れるための左上腹部の痛みなどの圧迫症状がおこります。
 脾臓の血管の一部が閉塞(へいそく)して血液が止まり、脾梗塞(ひこうそく)におちいると、左上腹部に激痛がおこることがあります。
[検査と診断]
 静脈から血液を採取して調べると、貧血がみられます。白血球(はっけっきゅう)は増えていることが多く、血小板は、病気の経過によって増加したり、減少したりすることもあります。
 骨髄以外の部位で血液がつくられていることを反映して、血球を顕微鏡でみると、血小板の巨大化、赤血球の変形が目だち、涙型をした赤血球がみられます。
 また、赤血球の母細胞(ぼさいぼう)である赤芽球(せきがきゅう)や幼若顆粒球(ようじゃくかりゅうきゅう)も現われており、これを白赤芽球症(はくせきがきゅうしょう)と呼びます。
 骨髄に針を刺し(骨髄穿刺(こつずいせんし))、血液を吸引しようとしても、骨髄には線維が多く、血液がつくられていないので吸引ができません。
 このため、骨髄の組織を微量採取し(骨髄生検(こつずいせいけん))、組織を顕微鏡で見て、線維が増殖していることを確かめなければ診断できません。
[治療]
 原因となる病気の治療を行ないます。貧血に対しては、必要に応じて、ときどき輸血を行ないますが、ときに、たんぱく同化ホルモンの使用が有効なことがあります。
 また、手術をして脾臓を摘出することもあります。
 経過はさまざまですが、約20%の患者さんは、急激に悪化して急性白血病などをおこし、命にかかわることがあります。

出典:小学館
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六訂版 家庭医学大全科

骨髄線維症
こつずいせんいしょう
Primary myelofibrosis
(血液・造血器の病気)

どんな病気か

 骨髄線維症は、慢性骨髄性白血病(まんせいこつずいせいはっけつびょう)真性多血症(しんせいたけつしょう)本態性血小板血症(ほんたいせいけっしょうばんけっしょう)とともに、慢性骨髄増殖性疾患というグループに属する血液腫瘍(けつえきしゅよう)です。腫瘍細胞によって骨髄に線維化という変化が起こるため、骨髄の代わりに脾臓(ひぞう)や肝臓で血液が産生されるようになる(髄外造血)のが特徴です(図11)。

 白血球数の増加のほか、初期には血小板数も増加する傾向があります。一般的にこの病気の進行は緩慢ですが、進行すると逆に貧血や血小板数の低下が著しくなります。一部の例では、急性白血病と類似の病像を示す急性期(急性転化)へと進展することがあります。

原因は何か

 腫瘍細胞が発生する原因については、詳しくはわかっていません。しかし、約半数の例では真性多血症と同じJAK2遺伝子の異常が認められており、この異常が発症に関わっていると考えられています。慢性骨髄性白血病と異なり、フィラデルフィア染色体(慢性骨髄性白血病)の形成は認められません。また、いわゆる遺伝性疾患ではなく、子孫への影響はありません。

症状の現れ方

 脾臓のはれによる腹部の圧迫、膨満感(ぼうまんかん)が比較的多く現れます。一方、無症状の段階で健康診断などにより、血液所見の異常を指摘されて発見されることもしばしばあります。

 貧血が進行すると、倦怠感(けんたいかん)動悸(どうき)、息切れなどの症状が目立つようになり、血小板数が低下すると皮下出血・鼻血・歯肉出血などの出血症状を認めます。

検査と診断

 初期では白血球数が増加し、慢性骨髄性白血病と同じように幼若な細胞から成熟した細胞まで、すべての段階の白血球が認められるのが特徴です。さらに、幼若な赤血球系の細胞(赤芽球(せきがきゅう))や変形した赤血球も認めます。また、脾臓のはれがしばしばみられます。

 確定診断のためには、骨髄の組織の一部を採取して調べる生検によって骨髄の変化(線維化)を証明する必要があります。骨髄の線維化は、白血病悪性リンパ腫などのほかの血液腫瘍、あるいはがんの骨髄転移によっても起こります。また、膠原病(こうげんびょう)結核(けっかく)などが原因になる場合もあるので、これらの病気を除外する必要があります。

 一方、この病気の初期段階では慢性骨髄性白血病と血液検査の所見が類似していることがあります。慢性骨髄性白血病と区別するためには、骨髄生検の結果のほかに、フィラデルフィア染色体およびBCR/ABL遺伝子を認めないこと、一般的に好中球(こうちゅうきゅう)アルカリフォスファターゼ活性が低下しないことが重要になります(慢性骨髄性白血病)。

治療の方法

 根本的な治療法はまだ確立されていません。輸血療法や経口抗がん薬の投与などが症状に応じて選択され、条件が整えば造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)移植も考慮されます。

①経口抗がん薬

 白血球や血小板の増加が著しく、脾臓のはれが目立つ場合に、メルファラン(アルケラン)、ハイドロキシウレア(ハイドレア)などの経口抗がん薬が使用されます。

②輸血療法

 貧血や血小板減少が進行した場合に行われます。

③造血幹細胞移植

 治癒を目的として行われる唯一の方法です。白血球の型が一致したドナー(骨髄血を提供する人)がいることなどの条件が整えば選択肢のひとつとなります。しかし、移植に伴う合併症の危険についても十分に考慮する必要があり、その適応は慎重に検討されなければなりません。比較的高齢者が多いため、移植時に行う前処置の治療毒性を軽減した非破壊性造血幹細胞移植も試みられています。

生活での注意

 食事、運動、旅行など日常生活全般についての制限はほとんどありませんが、定期的に血液検査を受けることが必要です。脾臓のはれがある場合には、腹部の圧迫などに注意します。また、薬剤の副作用が疑われるような症状が現れた場合には、すみやかに医療機関を受診する必要があります。

永井 正

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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