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高潮【たかしお】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

高潮
たかしお
storm surge
海水が吹き寄せられて海面が上昇する現象台風や発達した低気圧の影響で気圧下がり,海面が吸い上げられ上昇したり,風向によっては強い風がから海岸に向かって吹くことで生じる。気圧が 1hPa下がると海面(潮位)がおよそ 1cm高くなる。満潮(→潮汐)の時間帯やその前後数時間は特に海面が高くなる。また,奥まったや海岸に近づくにつれて急に海底が浅くなる地形では海面が高くなりやすい。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵

高潮
台風や強い低気圧の来襲海水面が平常より著しく高くなる現象。海面上昇は風速の2乗に比例するが、V字形の湾の奥ではこの割合を上回る。また、気圧1hPa(ヘクトパスカル)の低下につき海面が約1cm高くなる。東京湾、大阪湾、伊勢湾などの南に開いた湾では、台風の中心が湾の西側を通る時などに起こりやすい。満に重なると、海水が陸地へ浸入する危険は一層増す。2004年8月の台風16号では、瀬戸内海で高潮が発生。最高潮位は宇野港254cm、高松港246cmで過去最高だった。潮位が長期間、広範囲にわたって平常より異常に高くなる現象を異常潮位という。
(饒村曜 和歌山気象台長 / 宮澤清治 NHK放送用語委員会専門委員 / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

朝日新聞掲載「キーワード」

高潮
台風や強い低気圧で波が高くなると同時に海面の水位が上昇する現象。沿岸部に大量の海水が流れこむため、低地では浸水被害が一気に広がり、人命家屋インフラなどに様々な被害が生じる。60年前の1959年9月に起きた伊勢湾台風では5千人超が犠牲になった。 国は2015年、水防法を改正。大きな被害が心配される東京湾、伊勢湾、大阪湾、瀬戸内海、有明海八代海に面する19都府県に対し、来年度までを目標に浸水想定区域の公表を求めてきた。リスクのある地域を事前に示すことで、高潮の脅威に早めに備え、人的被害を軽減する狙いがある。ただ区域を公表しているのは、東京、千葉、神奈川、兵庫、福岡の5都県にとどまっている。
(2019-08-26 朝日新聞 朝刊 2社会)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

こう‐ちょう〔カウテウ〕【高潮】
[名](スル)
潮が満ちて、海面が最も高くなった状態。満潮。⇔低潮
物事の勢いや調子が極度にたかまること。また、そのたかまりの頂点。絶頂。「選挙戦が高潮に達する」「気運が高潮する」「最高潮
[補説]「たかしお」と読めば別語

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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たか‐しお〔‐しほ〕【高潮】
台風通過による強風や気圧の変化により、海水面が異常に高まる現象。風津波暴風津波 秋》「―ののちの青海舟大工/静塔」
[補説]「こうちょう」と読めば別語。

出典:小学館
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海の事典

高潮
潮汐による海面の昇降で、海面の高さが極大になった状態を高潮と呼ぶ。満潮ともいう。これに対して海面の高さが極小となった状態を低潮または干潮という。 (永田

出典:(財)日本水路協会 海洋情報研究センター
Copyright(C) Marine Information Research Center, Japan Hydrographic Association. All Rights Reserved.
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世界大百科事典 第2版

たかしお【高潮 storm surge】
台風など強い低気圧によって海面が甚だしく上昇する現象をいい,沿岸に被害をもたらすことがある。暴風津波,風津波,気象津波などということもある。同じく沿岸地方に直接災害をもたらす津波と比べると,まず,生成のうえで津波はおもに海底での地殻変動によるものであり,時間スケールについて見ると,高潮が1~2時間あるいはそれ以上にわたるのに対して,後者は数分からたかだか1時間程度の周期をもつなど明らかな違いがある。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

こうちょう【高潮】

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

高潮
たかしお
storm surge

台風などに伴う気圧降下と強風によって海面が異常に上昇する現象。過去には暴風津波、風(かぜ)津波、気象津波ともよばれた。潮汐(ちょうせき)の満潮を意味することば「高潮(こうちょう)」とは、同じ漢字だが別の現象である。

[岡田正実]

成因

台風など顕著な低気圧が近づき、気圧が大きく下降すると、1ヘクトパスカルにつき1センチメートル海面を吸い上げる力が作用する。また、強風によって海水が沿岸に吹き寄せられると、潮位が高くなる。風の吹き寄せ効果は海の深さにほぼ反比例し、風の吹送距離とともに増大する。このため、幅広い陸棚や浅くて長い湾の奥では風の効果が著しく、大きな高潮が発生しやすい。地震による津波が海面の上下動を繰り返すのに対し、高潮の潮位変化は全体として孤立波的である。しかし、陸棚や湾内でセイシュを誘発し、顕著な振動を伴うこともある。外海に面した場所で、大きな波浪が打ち寄せると、汀線(ていせん)近くで砕け、海水が遡上(そじょう)することに伴う潮位上昇も考えられる。

 日本付近では、台風の北上に伴い、進路の東側で南寄りの暴風が強くなることが多いため、大阪湾、伊勢湾(いせわん)、東京湾、有明海(ありあけかい)など、南向きの浅くて細長い湾で大きな高潮が発生しやすい。高さが2メートル以上の高潮は、1900年(明治33)から2010年(平成22)の間に台風によって20回発生したが、うち12回がこれらの湾で発生している。八丈島(はちじょうじま)では4回発生したが、波浪による海岸付近の潮位上昇がかなりの部分を占めていると考えられる。

 1959年(昭和34)の伊勢湾台風はきわめて強大で、中心が伊勢湾のすぐ西側を通過したため、伊勢湾・三河湾(みかわわん)で非常に大きな高潮が発生した。名古屋港では平常より3.4メートルも潮位が上昇した。このため、各地で堤防が決壊して広範な沿岸地域に浸水し、低い所では1か月以上も水が引かなかった。この高潮による死者は約4000人にも達し、記録的な大災害となった。1934年(昭和9)の室戸(むろと)台風は阪神地区を激しく襲い、大阪湾で大きな高潮を起こし、死者は1888人に上った。また、1999年(平成11)には八代海(やつしろかい)(熊本県)で発生した高潮のため13人が亡くなっている。一方、平常より2メートル以上高くなっても、高潮のピークが干潮時に近く、被害がほとんどなかった例もある。なお通常の低気圧(温帯低気圧)による高潮は、日本沿岸では2メートル以下であり、大きな被害は生じない。

 諸外国では、熱帯低気圧の襲来する地域や、大陸棚が広く発達した地域で大きな高潮が発生する。ハリケーンが襲来するアメリカ南東部沿岸、サイクロンが襲来するベンガル湾沿岸では大きな高潮が発生することがある。2005年にメキシコ湾岸を襲ったハリケーン・カトリーナでは、最高8メートルの高潮が発生し、ニュー・オーリンズ市などで1971名の死者・行方不明者があった。バングラデシュでは、1991年のサイクロンで6メートルほどの高潮が内陸部にまで達し、13万8000人以上が死亡したとされている。北海、バルト海沿岸は、発達した低気圧によって2~3メートルの大きな高潮が発生することで知られている。

[岡田正実]

予報と対策

台風が近づくと高潮の予報が行われ、被害の発生するおそれがある場合は、気象台から高潮警報または注意報が発表される。高さの予測は、台風の進路や強度などの予報を使って、数値シミュレーション(数値計算)で行われる。進路予報には、ある程度の不確実性が伴うので、いくつかの場合についてシミュレーションを実施し、それらに基づいて高潮の予警報が行われている。高潮のシミュレーションが困難な場合には、次のような実験式が用いられる。

  haΔPbV2cosθ
ここで、hは高潮の最大の高さ、ΔPVは港湾で予想される最大の気圧降下と風速、θは最強の風向と湾の向きとの角度、abは過去の観測資料から求められた定数である。この式は簡便で、細長い湾の奥などではかなり精度がよい。しかし、瀬戸内海など複雑な地形の海域では、現地の気象だけでなく、広範な気象の影響も考慮する必要がある。

 高潮警報・注意報は、平常の潮位に高潮の高さを加えた予想潮位が一定の基準より高くなるときに、対策に要する時間的余裕をもって発表される。高潮・高波による浸水が始まってから屋外を移動することは危険で困難である。とくに堤防などが決壊した場合、海水は非常に強い勢いで進入し、大きな破壊力を示す。したがって、台風が近づいたときはテレビなどの台風情報に絶えず注意し、浸水のおそれがある場合は、自治体などの勧告に従って、安全な場所へ早めに避難することがたいせつである。とくに台風の中心が湾のすぐ西側を満潮時に通過すると、潮位が非常に高くなるので、厳重な警戒が必要である。

 恒久的な高潮対策として、各地に防潮堤、水門がつくられている。高潮時には、海からの逆流を防ぐため水門を閉鎖し、陸側の水をポンプで排水する方式が多い。東京港など主要な港湾では、伊勢湾台風クラスの大型台風を想定して施設が設計されている。

 大きな被害が発生すると、現地調査などで高潮の状況が解明される。発生機構の研究として、台風の気圧・風の分布をモデル化して与え、高潮を数値的に再現する実験(シミュレーション)が多く行われている。その際は、実際の水深分布を用いて計算し、海面の高さや海水の運動のようすを調べる。仮想的な大型台風に対しても高潮の高さを推定することができるので、防潮堤などの設計の際にシミュレーションの結果がよく利用される。

[岡田正実]

『和達清夫編『津波・高潮・海洋災害』(1970・共立出版)』『高橋博・竹田厚・谷本勝利・都司嘉宣・磯崎一郎編『沿岸災害の予知と防災――津波・高潮にどう備えるか』(1988・白亜書房)』『中村重久著『陸棚沿岸の高潮――理論と実態』(1994・近代文芸社)』『大矢雅彦・木下武雄・若松加寿江・羽鳥徳太郎・石井弓夫著『自然災害を知る・防ぐ』第2版(1996・古今書院)』『塩田修著『地震・高潮・山崩れ 自然災害入門』(1998・新風舎)』『平山秀夫・辻本剛三・島田富美男・本田尚正著『海岸工学』(2003・コロナ社)』『宮崎正衛著『高潮の研究――その実例とメカニズム』(2003・成山堂書店)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

こう‐ちょう カウテウ【高潮】
〘名〙
① 満潮の極点に達したもの。あげしお。みちしお。たかしお。
② 勢いや程度がもっとも高まること。調子が高く激しくなること。絶頂。高調。
※帰省(1890)〈宮崎湖処子〉二「北斗の一星遙かに光芒を船首に指すを見ては、正に望郷想の高潮に上りたりき」

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たか‐しお ‥しほ【高潮】
〘名〙
① 月および太陽による潮汐現象として推算される以上に潮位の高くなること。ふつうの満潮時にこれが重なると沿岸部に被害を及ぼす。台風などの通過による気象的原因が主なもので、暴風津波、風津波とも呼ばれるが、地震による津波は何回も押し寄せるのに対してこれは一回限りであるのが特徴。《季・秋》
※日本紀略‐永祚元年(989)八月一三日「又洪水高潮、畿内海浜河辺民烟。人畜田畝為之皆没」
② みちしお。また、大潮。
※日葡辞書(1603‐04)「Tacaxiuoga(タカシヲガ) サス〈訳〉潮が満ちる」

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