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高速度鋼【こうそくどこう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

高速度鋼
こうそくどこう
high speed steel
金属を高速度で切削加工する工具の材料に使われる合金工具鋼で,俗称ハイス炭素工具鋼は高速切削すると摩擦熱で焼きが戻り軟化する欠点があるので,アメリカ人 R.マシェットがこの種の原形を開発 (1858) し,以来改良されて今日のものとなり,炭素工具鋼の4~7倍の高速切削ができる。基本となる高炭素鋼 (炭素 0.7~1.6%) に,クロム Cr (3.8~4.5%) ,バナジウム (1~5%) のほかに,タングステンW (17~22%) を含む高タングステン系と,モリブデン Mo (4.5~6.2%) ,W (5.5~11.0%) のW-Mo系とがあり,いずれにも低コバルト (0~4%) と高コバルト (5~15%) とがある。高タングステン系は一般切削用,W-Mo系は特に靭性を必要とする切削用で,いずれも高コバルトのものは高硬度難削材用である。原料を電気炉で溶製し,鋼塊は鍛錬比6以上に鍛圧する。熱処理は鋼種によって異なるが,およそ 800~900℃焼鈍後徐冷,1300℃付近に再加熱して焼入れ,560~600℃で焼戻す。焼入れ組織は均質なオーステナイト地に硬いマルテンサイトが出ているが,これを焼戻すと,Fe,Cr,Wなどの複炭化物が析出し,オーステナイトが冷却中マルテンサイトとなるので大きく硬化する (高速度鋼の二次硬化という) 。あらかじめ高温焼戻しをして硬化しているので刃先が赤熱しても軟化しない。高価なのでバイトなどは高炭素鋼アームの先端に小片を硬鑞 (こうろう) で接着して用いる。

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デジタル大辞泉

こうそくど‐こう〔カウソクドカウ〕【高速度鋼】
タングステンコバルトクロムバナジウムモリブデンなどを加えた切削用の工具鋼。旧来の工具鋼より高速度で切削できる。ハイスピードスチール。ハイス。

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世界大百科事典 第2版

こうそくどこう【高速度鋼】

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日本大百科全書(ニッポニカ)

高速度鋼
こうそくどこう
high speed steel

工具鋼の一種で、鉄鋼その他の材料を高速度で切削しても刃先が軟化せず、切れ味を保つ切削用鋼という意味で名づけられた鋼。1900年アメリカのテーラーF. V. TaylerとホワイトM. Whiteにより、クロムとタングステンとを多量に添加した鋼を1200℃以上の高温から焼き入れたときにこの性質が得られることが発見された。高速度鋼の代表的な組成は18・4・1、すなわちタングステン18%、クロム4%、バナジウム1%、および約0.7%の炭素である。タングステンの一部または全部を重量で約2分の1のモリブデンによって置換しても類似の性質が得られ、これをモリブデン高速度鋼という。コバルトを添加すると高温強度がより向上する。切削工具のみでなく、多くの耐摩耗部品に用いられる。

[須藤 一]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

こうそくど‐こう カウソクドカウ【高速度鋼】
〘名〙 バイト、ダイス、ドリルなど、金属材料の切削工具に用いられる特殊鋼。鉄に、タングステン・コバルト・クロム・バナジウム・炭素・マンガン・モリブデンなどの合金元素を加えたもの。摂氏一二〇〇~一三〇〇度で焼入れをし、さらに五八〇度付近で焼戻して、硬度、耐熱性を大きくする。〔訂正増補新らしい言葉の字引(1919)〕

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