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鬼神【きしん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

鬼神
きしん
きじん,おにがみとも読む。普通人の耳目ではとらえることができない,超人的な能力をもつ存在で,人間の死後霊魂化け物などをいう。 (→〈き〉)

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

おに‐がみ【鬼神】
《「鬼神(きしん)」を訓読みにした語という》荒々しく恐ろしい神。きじん。

出典:小学館
監修:松村明
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き‐じん【鬼神】
《「きしん」とも》
荒々しく恐ろしい神。おにがみ。また、化け物。変化(へんげ)。「断じて行えば鬼神も之(これ)を避く」
天地万物の霊魂。死者の霊魂と天地の神霊。
「天地を動かし―を感ぜしめ」〈古今・真名序〉
仏語。超人的な能力をもつ存在の総称

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き‐しん【鬼神】

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世界大百科事典 第2版

きしん【鬼神 guǐ shén】
中国において死者の霊をいう。人間は陽気の霊で精神をつかさどる魂と,陰気の霊で肉体をつかさどる魄(はく)との二つの神霊をもつが,死後,魂は天上に昇って神となり,魄は地上にとどまってとなると考えられた。鬼神は超自然的な力を有し生者に禍福をもたらす霊的な存在であり,その顕現仕方によって善神と悪鬼との両様に分かれ,祭祀と祈祓(きふつ)の対象となる。また,天地造化の霊妙なはたらきそのものをも指すことがある。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

鬼神
きしん

死者の霊魂を神として祀(まつ)ったものをいう。これを「きじん」ともいうが、その場合は荒々しい鬼の意として使われることが多い。オニガミということばは恐ろしい神の意とされている。『古今和歌集』の仮名序に「力をも入れずして天地を動かし、目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ……」と書かれている。鬼神という語は中国より伝来したもので、その意義は多様である。祖先または死者の霊魂をいうが、幽冥界(ゆうめいかい)にあって人生を主宰する神ともされており、さらに妖怪変化(ようかいへんげ)ともみられている。中国の古典にはいろいろと鬼神のことが述べられている。たとえば『礼記(らいき)』には鬼神が天地、陰陽(いんよう)あるいは山川と連想されたり、併称されたりしている。そして鬼神を祀ることが礼であるという。この鬼神の語がわが国に移入されたのであるが、鬼は一般に妖怪のように悪者とされている。鬼退治の伝説、昔話が多く語られている。大江山の酒呑童子(しゅてんどうじ)や桃太郎の昔話などでよく知られている。しかしその一方に、戦場に赴く者が「死して護国の鬼とならん」などというのは、中国の鬼神と相通じるものがあり、人の過去帳に載るのを「鬼籍に入る」という漢語表現も使用されているのである。

[大藤時彦]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

おに‐がみ【鬼神】
〘名〙
① (「鬼神(きしん)」の訓読か) 目に見えない精霊。荒々しく恐ろしい神。
※古今(905‐914)仮名序「めに見えぬ鬼神をもあはれとおもはせ、をとこ女のなかをもやはらげ、たけきもののふの心をもなぐさむるは哥(うた)なり」
② 借金を取り立てに来る者。債鬼。
※雑俳・柳多留‐三九(1807)「目に見へる鬼かみの来る大晦日」

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き‐じん【鬼神】
〘名〙 (「きしん」とも)
① (「鬼」は死者の霊魂、「神」は天地の神霊の意) 天地万物の霊魂。また、神々。
※続日本紀‐神亀四年(727)二月甲子「時政違乖。民情愁怨。天地告譴。鬼神見異」
※古今(905‐914)真名序「動天地鬼神」 〔礼記‐楽記〕
② 仏語。超人間的な威力や能力をもったもの。仏法護持の、梵天、帝釈などの天や龍王、および夜叉など天龍八部衆を善鬼神、羅刹などを悪鬼神とする。
※法華義疏(7C前)一「緊那羅。乾闥波。即是鬼神」
※今昔(1120頃か)四「我諸の鬼神并に夜叉神等を召して」
③ 変化(へんげ)。鬼。恐ろしい神。
※霊異記(810‐824)上「鬼神を駈(おひ)使ひ、得ること自在なり」
※謡曲・羅生門(1516頃)「丹州大江山の鬼神を従へしよりこのかた」
[補注]「日葡辞書」では、漢音読みのキシンと呉音読みのキジンとでは意味が異なっているとする。すなわち、キシンは神になった死者の魂をいい、神と悪魔をいうのに対して、キジンは悪魔だけを指すという。

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