●鮮卑【せんぴ】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
鮮卑
せんぴ
Xian-bei; Hsien-pei
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デジタル大辞泉
せんぴ【鮮卑】
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世界大百科事典 第2版
せんぴ【鮮卑 Xiān bēi】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
鮮卑
せんぴ
古代北アジアの遊牧民族。トルコ系とする説もあるが、人種および言語系統の詳細は不明。紀元前3世紀初め、東胡(とうこ)を構成する一部族として大興安嶺(だいこうあんれい)一帯に分布していた。前206年ころ東胡が匈奴(きょうど)の冒頓単于(ぼくとつぜんう)に撃滅されると、やがて匈奴に服属して徐々に南下し、シラムレン川流域〔遼(りょう)河上流〕で狩猟遊牧生活を行い、ときに匈奴に従って漢の東北辺に侵入した。紀元後48年、匈奴の南北分裂ののち、自立の動きが始まり、54年には大人〔(たいじん)、首長(しゅちょう)〕の於仇賁(おきゅうほん)らが後漢(ごかん)の都洛陽(らくよう)にきて朝貢し、光武帝は彼を王に封じた。2世紀中ごろに現れた大首長檀石槐(だんせきかい)は、北匈奴の残留部族をはじめモンゴル平原の遊牧諸民族を帰属させ、東は遼東、西はジュンガル盆地に至る大勢力を築き、中国の北辺から西辺に侵寇(しんこう)して後漢王朝を悩ませた。檀石槐の死後、各部族の大人の位が選挙推戴(すいたい)制から世襲制へ移行し、統一勢力は分解した。3世紀初めには歩度根(ほどこん)、軻比能(かひのう)らの大人が現れたが統一は回復されず、3世紀中ごろから慕容(ぼよう)、宇文(うぶん)、段(だん)、乞伏(きっぷく)、托跋(たくばつ)、禿髪(とくはつ)などの部族が有力となった。これら有力部族は騎馬軍団の力を背景に、漢族支配層との結び付きを強めながら、五胡十六国時代の華北でしのぎを削った。慕容氏は前燕(ぜんえん)、後燕、西燕、南燕、吐谷渾(とよくこん)、乞伏氏は西秦(せいしん)、托跋氏は代国〔北魏(ほくぎ)の前身〕、禿髪氏は南涼(なんりょう)を建てた。その後の北朝王朝(北魏、東魏、西魏、北斉(せい)、北周)および隋(ずい)・唐王朝の宗室も祖先は鮮卑系である。
1980年夏、大興安嶺北部の原生林の一角で、狩猟遊牧の段階にあった鮮卑托跋部の祭祀(さいし)跡を残す大洞窟(どうくつ)〔嗄仙洞(かっせんどう)、縦横約20メートル、奥行約100メートル〕が発見された。洞窟内の壁には443年に刻まれた銘文があり、それによれば、かつて托跋部がこの地に住んだこと、洞窟内の祭壇で天地・祖先を祭ったこと、当時の鮮卑の首長が可汗(かがん)とよばれたこと、などがわかる。
[佐藤智水]
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精選版 日本国語大辞典
せんぴ【鮮卑】
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旺文社世界史事典 三訂版
鮮卑
せんぴ
戦国時代の東胡の一部族。漢初期は匈奴 (きようど) に属し,シラムレン川流域に遊牧。匈奴の分裂後は後漢 (ごかん) と交渉をもち,2世紀半ばごろ檀石槐 (だんせきかい) に統一されたが,やがて分裂。五胡十六国時代に慕容氏が前燕・後燕 (こうえん) ・南燕・西燕を,乞伏 (きつぷく) 氏が西秦を,禿髪 (とくはつ) 氏が南涼を建て,最後に拓跋 (たくばつ) 氏が華北を統一して北魏を開き,南朝と対立。のち鮮卑は漢民族に同化された。近年の研究ではトルコ系説が有力。
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