●鳥追い【とりおい】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
鳥追い
とりおい
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デジタル大辞泉
とり‐おい〔‐おひ〕【鳥追い】
2 農村の小正月の行事の一。関東・東北地方などで行われる。多くは、子供たちが鳥追い歌をうたって、鳥追い棒と称する杓子(しゃくし)や棒などで鳥を追うしぐさをする。
3 門付けの一。新年に門口で、扇で手をたたきながら祝言を述べ、米銭の施しを得たもの。江戸初期、京都悲田院の与次郎が始めたという。たたき。たたきの与次郎。
4 門付け芸の一。江戸中期以降、新年に女太夫たちが、新しい着物に日和下駄・編み笠姿で三味線などを弾きながら、鳥追い歌を歌って家々を回ったもの。《季 新年》「―やうき世の霜の袖袂/万太郎」
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日本大百科全書(ニッポニカ)
鳥追い
とりおい
小(こ)正月の予祝行事。また一種の芸能。秋の収穫時には、スズメ、サギ、カラスなどに作物を荒らされることが多いが、年初に害鳥を追い払う呪術(じゅじゅつ)的な行事をしておけば、その効果が秋にまで持続するという考えに基づく。子供たちが手に手に鳥追い棒と称する棒切れや杓子(しゃくし)を持って打ち鳴らし、「朝鳥ほいほい、夕鳥ほいほい、……物を食う鳥は、頭割って塩つけて、佐渡が島へ追うてやれ」などの歌を歌いながら、田畑などを囃(はや)して回る。大人も参加して家ごとにするもの、子供仲間が集まって家々を訪問して歩くもの、鳥追い小屋と称する小屋に籠(こも)るものなどがあり、信越地方から関東・東北にかけて広く分布する年中行事である。
近世には三味線の伴奏で門付(かどづけ)しながら踊る者が現れ、これも鳥追いという。正月元日から中旬まで、粋(いき)な編笠(あみがさ)に縞(しま)の着物、水色脚絆(きゃはん)に日和下駄(ひよりげた)の2人連れの女が、艶歌(えんか)を三味線の伴奏で門付をした。中旬以後は菅笠(すげがさ)にかえ、女太夫(おんなだゆう)と称したともいう。京都悲田院に住む与次郎の始めたものと言い伝えるが、京坂では早く絶え、江戸では明治初年まであった。
[井之口章次]
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