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黄熱【おうねつ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

黄熱
おうねつ
yellow fever
血液の混じった黒色嘔吐を起すことから黒吐病ともいわれる。黄熱ウイルスによって起る国際検疫伝染病で,ネッタイシマカヒトスジシマカなどによって媒介される。病原体をもつカに刺されて3~6日後に高熱が出て,激しい頭痛,腰痛,筋肉痛,胃腸出血が始り,尿毒症や肝障害を起し,死亡率が高い。中南米熱帯アフリカに広く分布し,ジャングル内のサル感染が人間の流行の源になることが多い。ネッタイシマカは広く熱帯,亜熱帯に分布し,ヒトスジシマカも東洋地域に広く分布している。特効薬はなく,患者の隔離,伝播カの撲滅,黄熱ワクチンの予防接種が重要である。一度感染すると一生,免疫が得られる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

おう‐ねつ〔ワウ‐〕【黄熱】
アフリカや中南米の熱帯地域にみられる悪性感染症。黄熱ウイルスによって起こり、が媒介する。高熱・筋肉痛や出血・黄疸などがみられ、血液のまじった黒色のものを嘔吐(おうと)する。発病後5~10日で死亡することが多い。感染症予防法の4類感染症の一。黄熱病

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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こう‐ねつ〔クワウ‐〕【黄熱】

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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世界大百科事典 第2版

おうねつ【黄熱 yellow fever】
ウイルス性出血熱の一種で,検疫伝染病に指定されている。アルボウイルスの一種が病原体である。中央アフリカ,中南米にみられる。都市型と森林型の2型があり,都市型はヒト→ネッタイシマカ→ヒトの経路で,カの刺咬により感染する。森林型は,多雨森林地帯で,カがおもにサルの間の伝搬を媒介し,ヒトは二次的にこれらから感染する。潜伏期は3~6日で,頭痛,嘔吐,めまいなどの症状で発病し,発熱,徐脈,眼球充血,出血傾向を示し,軽症ではしだいに熱が下がるが,重症の際は,出血傾向,タンパク尿,乏尿,無尿,譫妄(せんもう),黄疸を呈し,血圧が下降して,6~7日で死に至る。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

おうねつ【黄熱】
黄熱ウイルスの感染によって起こる感染症。アフリカ西部や中南米に多い。蚊が媒介する。主に肝臓・腎臓が冒され、高熱を発し、血液の混じった黒色の嘔吐おうとと黄疸おうだんを起こす。不顕性のものから死亡するものまである。野口英世はこの病気を研究中、感染して死亡。黄熱病。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

こうねつ【黄熱】
おうねつ黄熱

出典:三省堂
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知恵蔵mini

黄熱
中南米や熱帯アフリカの風土病で、黄熱ウイルスを病原体とする感染症のこと。黄熱病とも言う。ウイルスを持っているネッタイシマカなどの蚊に刺されることで感染する。感染しても無症状で終わる場合が多いが、発症した場合、発熱・頭痛・筋肉痛・嘔吐などの症状を起こし、重症になると皮膚などが黄色くなり出血し、死亡する場合もある。WHOによると、1990年の患者数は4336、死亡者数は410であり、99年は患者数208、死亡者数101となっているが、患者数は年間20万人・致死率20%とのデータもある。罹患すれば特別な治療法はないため、予防接種が有効で、一回の接種で10年間効果を持続する。2014年6月にブラジルで開催されるサッカーワールドカップに向け、厚生労働省ではブラジルに渡航する人に対し黄熱の予防接種を受けるよう推奨している。
(2014-5-22)

出典:朝日新聞出版
(C)Asahi Shimbun Publications Inc
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日本大百科全書(ニッポニカ)

黄熱
おうねつ
yellow fever
アフリカおよび南アメリカの熱帯ないし亜熱帯地域に流行するウイルス感染症で、黒吐病ともよばれる。病原体の黄熱ウイルスはネッタイシマカによって媒介され、感染経路として患者、サルおよび野生動物からカを介して感染する。臨床的には肝炎を主徴とする急性熱性疾患である。潜伏期は3~6日で、不顕性感染から軽症および重症型まである。軽症型では発熱、悪心、嘔吐(おうと)、徐脈がみられるが、数日で治癒する。重症型の場合は突然の高熱と著明な下肢痛で発症し、出血傾向に伴う吐血が認められる。発病3日目には一度症状が消え、解熱、徐脈をみたあとに第2期の中毒期に入る。この時期にはふたたび発熱がみられ、徐脈、血圧低下とともに黄疸(おうだん)が出現する。発病後10日目ごろには昏睡(こんすい)状態となる。重症型の予後は不良で、発病後6~10日で死亡するが、発病後7、8日目に解熱すれば予後はよくなる。特効薬はなく、対症療法として十分な補液(水分補給)が必要である。予防として流行地ではカの駆除を行うほか、これら流行地への旅行の際には黄熱ワクチンの接種が必要である。かつて黄熱は検疫法により検疫感染症(検疫伝染病)に指定されていたが、2005年に改正された世界保健規則に基づき対応が要請されなくなったことから、2006年(平成18)に検疫法が改正され、翌07年6月に検疫感染症から除外された。感染症予防・医療法(感染症法)で4類感染症に分類されている。なお、野口英世(ひでよ)が本病の研究で罹患(りかん)し倒れたことは有名である。[松本慶蔵・山本真志]

黄熱ウイルス

フラビウイルス科フラビウイルスFlavivirus属に属するが、従来の分類ではアルボウイルスB群の1種とされていた。RNA(リボ核酸)1本鎖ウイルスで、直径40~50ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)、カプソメア(カプシドの構造単位)数32、エンベロープ(外被)がある。エーテル、デオキシコール酸に感受性を示し、血液中で4℃の温度条件下で1か月間感受性を持続、零下70℃で数年間保存できる。サル、モルモットにも病原性を示し、神経系、循環器、内臓に親和性を示す。ワクチン用の株はマウス脳に継代培養し、弱毒化したものが使われる。[曽根田正己]
『フランソワ・ドラポルト著、池田和彦訳『黄熱の歴史 熱帯医学の誕生』(1993・みすず書房) ▽小村剛史著『医聖 野口英世』(2000・健友館)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

おう‐ねつ ワウ‥【黄熱】
〘名〙 (yellow fever の訳語) アフリカ西部や南米の地方病である伝染病。原因は蚊が媒介するウイルスで、突然の寒けとともに高熱を出し、頭痛、腰痛、四肢痛、黄疸、嘔吐などがおこる。死亡率が高い。細菌学者、野口英世は、この病気を研究中に感染、死亡した。黒吐病とも呼ばれる。黄熱病。〔医語類聚(1872)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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こう‐ねつ クヮウ‥【黄熱】
※風俗画報‐二三九号(1901)医局「猩紅熱(しゃうこうねつ)、ペスト、黄熱(クヮウネツ)等、怖るべき伝染病ある時は」

出典:精選版 日本国語大辞典
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内科学 第10版

黄熱(フラビウイルス)
4)黄熱(yellow fever):
黄熱は黄熱ウイルスによって起こる重篤な出血熱である.サハラ以南のアフリカと南米で患者発生がある.世界的には年間20万人近い患者発生があると推察されている.アフリカにおいてはヒトが自然宿主となっておりウイルスは蚊-ヒト-蚊の感染環で維持されている.ネッタイシマカが主たる媒介蚊である.南米においては森林で蚊-サル-蚊の感染環で維持されており,ヒトが森林に入った折に感染することが多い. 潜伏期は3~6日である.症状は急性熱性疾患から致死性の出血熱まで多様である.典型例は感染期,緩解期,中毒期の3段階に分けられる臨床経過が特徴的である.突然の発熱で発症し,悪寒,倦怠感,頭痛,腰背部痛,筋肉痛,悪心,嘔吐を伴う.この時期(感染期)は3~4日間続きウイルス血症が認められる.これらの症状はいったん消失し2~24時間の緩解期となる.患者によってはこのまま症状が消失し回復する.典型例では緩解期に続き,発熱,悪心,嘔吐,上腹部痛,黄疸,腎機能不全(高度の蛋白尿,乏尿),出血傾向(鼻出血,歯肉出血,下血,点状出血,斑状出血など)が出現する.この時期は中毒期とよばれ,ウイルス血症は存在しない.患者は発症から7~10日で死亡する.致死率10~20%である.病態の主体は,黄熱ウイルスによる肝細胞の直接的な破壊であると考えられている.肝細胞の破壊が黄疸として現われる.出血傾向は,肝細胞障害による血液凝固因子の合成低下,血小板機能不全,播種性血管内凝固症(DIC)の結果と考えられている.[倉根一郎]

出典:内科学 第10版
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六訂版 家庭医学大全科

黄熱
おうねつ
Yellow fever
(感染症)

どんな感染症か

 黄熱はフラビウイルス属の黄熱ウイルスによる感染症で、サハラ以南のアフリカ諸国、中南米で流行しています。黄熱の流行地を図6に示します。黄熱ウイルスの宿主はヒトとサルで、ヒトはウイルスに感染しているネッタイシマカに刺されて感染し、黄熱を発症します。

症状の現れ方

 潜伏期間は3~6日で、突然の発熱、頭痛、背部痛、虚脱(きょだつ)、吐き気・嘔吐で発症します。多くは後遺症を残すことなく治りますが、重症になると腎障害、肝障害、出血傾向(DIC)などによる多臓器不全を起こす場合があります。黄疸(おうだん)が出る場合には死亡率は高まります。

検査と診断

 黄熱ワクチンの接種歴、海外渡航歴、生活様式が診断の参考になります。黄熱ウイルスに対する特異的な抗体価の測定、ウイルス抗原の検出(急性期血液からのウイルス分離など)により診断します。

治療の方法

 特異的治療法はなく、対症療法が主体です。黄熱ワクチンで予防が可能であり、流行地に赴く場合にはワクチンを接種すべきです。

西條 政幸

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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