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【つづみ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典


つづみ
日本楽器種目名称。広義には日本の小型の膜鳴楽器一般をさし,狭義には特に砂時計型の両端に鉄の輪を張ったを当て,この2つの輪を紐で締めて張った形式のドラムをさす。また最狭義には「小鼓 (こつづみ) 」をさす場合が多い。『日本書紀』の第9巻には武内宿禰が「都豆美 (つづみ) 」を臼に立てて歌ったという記録 (213) があるが,不明な点が多い。楽器として明らかになるのは,百済の味麻之が伝えたとされている「腰鼓 (くれのつづみ) 」で,一鼓 (いっこ) から四鼓まで4種類のものがあったが,のちに二鼓と四鼓がすたれ,現在では唐楽の特定の曲で一鼓,高麗 (こま) 楽全般に三鼓 (さんのつづみ) が用いられている。古い奏法は両面を桴 (ばち) で打つものであったが,のちに右革面だけを桴で打つように変った。また後世の能などに用いられる小鼓,大鼓 (おおつづみ) では,直接に手の指を用いて打奏されている。大鼓は非常に鋭くかん高い音を出し,小鼓は締めを握る左手のかげんと指の当て方によって微妙な余韻をつくることが可能で,この両者を組合せることによって,独特なリズム的音響空間がつくりだされている。大鼓や小鼓は,古くから白拍子などの芸能にも用いられ,歌や舞を引立てていたが,鼓の音楽性が高度に洗練され開花したのは能の囃子においてであった。やがてこの囃子は歌舞伎の三味線音楽の伴奏にも応用され,一方では各種の民俗芸能にも広く用いられるにいたっている。砂時計型の胴をもつドラムそのものは外国でも広く用いられているが,日本の鼓は独特な音色と余韻とを含めた意味でのリズム空間を構成しているという点でユニークであるといえよう。大鼓と小鼓とはともに,田中家,望月家,堅田家,六合 (郷) 家など江戸時代からの家元によって伝えられており,明治以後の新しい家元もある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

こ【鼓】
打楽器で、胴に革を張って打ち鳴らすもの。太鼓。つづみ。

出典:小学館
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編集協力:田中牧郎、曽根脩
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こ【鼓】[漢字項目]
常用漢字] [音](漢) [訓]つづみ
〈コ〉
打楽器の一。つづみ。たいこ。「鼓笛羯鼓(かっこ)軍鼓鐘鼓太鼓
つづみを打つ。たたく。「鼓吹鼓動鼓腹鼓膜
奮い立たせる。励ます。「鼓舞
〈つづみ〉「大鼓小鼓舌鼓腹鼓
[補説]「皷」は異体字。
[難読]大鼓(おおかわ)

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つづみ【鼓】
古く日本で、中空の胴に皮を張って打ち鳴らす楽器の総称。
中央が細くくびれた木製の胴の両端に皮を当てて、ひもで締めた打楽器。能楽・歌舞伎囃子(ばやし)などの大鼓小鼓雅楽三の鼓などがあるが、狭義には小鼓だけをさす。
紋所の名。2の形を図案化したもので、種類が多い。

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世界大百科事典 第2版

つづみ【鼓】
日本の膜鳴楽器の一種(イラスト)。皷とも書く。張った膜面を振動させて発音する膜鳴楽器は,日本で古くは〈鼓〉と総称されたが,現在は〈太鼓〉といわれ,そのうち胴の中央部が細いタイプを〈鼓〉と呼ぶ。いずれも鉄輪に張った2枚の円型革を胴にあてて,ひも(調緒(しらべお))で締めたものである。日本ではこの楽器が芸能の多くの種目に使われている。このうち小鼓(こつづみ)をとくに〈鼓〉と呼ぶことがある。〈鼓〉という語は古代インドの打楽器dudubhiまたはdundubhiから出たというと,中国の都曇鼓(つどんこ)の音から出たという説がある。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

つづみ【鼓】
張った革を打ち鳴らす楽器の総称。
中央が細くくびれた木製の胴の両端に革を張った楽器。革の縁に孔があり、締め緒を通して前後の革をかがり、右手で打ち鳴らす。小鼓と大鼓があり形状はほぼ同じであるが、小鼓では、締め緒を調節しながら奏して音程を変える。能楽・歌舞伎囃子・民俗芸能などで用いられる。
家紋の一。鼓の胴をかたどったもの。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)


つづみ
胴の中央部がくびれた、砂時計形両面太鼓の日本における総称。日本では、古くは膜鳴楽器全般を鼓とよんだが、胴にくびれのない鞨鼓(かっこ)(羯鼓)などは太鼓に類別されるようになり、鼓とは区別されている。もっとも狭義には、能楽などで用いられる小鼓(こつづみ)をさす。鼓の語は、古代インドの打楽器dudubhiまたはdundubhiを語源とする説、中国の打楽器、都曇鼓(つどんこ)が日本に輸入されて豆豆美と表記されたのに由来する、などの説がある。[藤田隆則]

構造

鼓は構造上、革(膜)、紐(ひも)、胴の三部分からなる。円型の鉄枠に張られた動物(馬)の革の周囲数か所に穴をあける。2枚を木製の胴の両面に当てて、調緒(しらべお)とよばれる紐を穴と穴に渡して張力を加える。革と胴を糊(のり)付けしないので、分解して持ち歩くことが可能である。胴の表面には蒔絵(まきえ)が施されることも多く、工芸品としての価値ももっている。[藤田隆則]

雅楽の鼓

日本には奈良時代、唐楽用の細腰鼓(さいようこ)が伝わった。これは小さいものから一鼓(いっこ)(壱鼓)、二鼓、三鼓(三(さん)ノ鼓(つづみ))、四鼓とよばれた。現在では壱鼓(舞具として)と三ノ鼓が残っている。壱鼓は革の直径約24センチメートル、胴に紐をつけて首から下げて、舞いながら右手の桴(ばち)で打つ。舞楽以外に唐楽の管絃(かんげん)でも使われていたが、現在では鞨鼓で代用することになっている。三ノ鼓は革の直径約42センチで、床や台の上に置いて右手の桴で打つ。平安期以降は高麗楽(こまがく)に用いられ、唐楽の鞨鼓のように、演奏のテンポを決定するなど、合奏全体を統括する役割を担っている。[藤田隆則]

小鼓

能楽、歌舞伎囃子(かぶきばやし)、民俗芸能の小鼓は、壱鼓を祖とするといわれる。曲芸的に振り回しながら打つ楽器であったが、しだいに左手で調緒を握り右肩で固定させ、右手指で打つ現在のスタイルが定まり、楽器そのものも洗練された。現在の小鼓は革の直径約20センチメートル、胴の長さ約25センチメートルである。右手指の打ち方の強さと位置、調緒のつかみぐあいで、打音の音色や音高を変化させることが可能であり、数種類の異なる奏法がそれぞれ異なる打音(粒(つぶ))をもつものとして規定されている。決まった打音の直前には、ヨゥ・ホゥなどの掛け声をかける。この掛け声と粒の一定のまとまりからなるリズム型を手組(てぐみ)という。手組には三ツ地(みつじ)、ツヅケなどの名称があり、これらの手組の配列で一曲全体の打ち方が規定されている。よい音色を得るために、小鼓の革は湿り気を必要とし、調子紙(がみ)とよばれる小さな和紙を打奏しないほうの革の表面中央部にぬらして張り付ける。演奏中にも合間をみて、唾(つば)で調子紙をぬらしたり、息を吐きかけたりする。能楽の小鼓の流儀には、大倉流、観世(かんぜ)流、幸(こう)流、幸清(こうせい)流がある。[藤田隆則]

大鼓

「おおかわ」ともよび、小鼓と対(つい)にして用いられる。革の直径約23センチメートル、胴の長さ約29センチメートルで、小鼓よりいくぶん大きい。小鼓とは逆に、演奏直前に革を炭火で焙(ほう)じて乾燥させ、調緒で強く締め付けて硬質の音色を得る。音色や音高の変化は出せない。むしろ能楽では掛け声の変化に重点が置かれ、掛け声の種類も多い。また粒が少ない分、掛け声は長いものが多い。大鼓は普通、小鼓の右に座る。左手で調緒を持ち、左膝(ひだりひざ)上に抱えて右手で打つ。右手指には紙製の指皮(ゆびかわ)、当て皮をはめるのが普通である。能楽では石井流、大倉流、葛野(かどの)流、高安(たかやす)流、観世流などの流儀があり、小鼓の流儀と分業している。歌舞伎囃子では、堅田(かただ)、田中、藤舎(とうしゃ)、望月(もちづき)などの家系が、大鼓や小鼓だけでなく他の打楽器も一手に引き受けている。[藤田隆則]

記譜法

鼓の記譜法はさまざまで、雅楽のように打音を丸印で表記する場合や、能楽のように手組の名称の記載ですます場合もある。しかし、いずれの鼓においても、奏法にほぼ対応してそれぞれ擬音語があてられている。小鼓では「チ・プ・タ・ポ」などがあり、手組のリズムの記憶や演奏中の間(ま)のとり方において効果を発揮している。歌舞伎囃子の大鼓と小鼓では「チリ・カラ・チリ・トト」のような擬音、つまり口唱歌(くちしょうが)を覚え、頭で唱えながらリズムを打ち出す。また擬音がそのまま鼓の名称になった例としては、田楽(でんがく)・風流(ふりゅう)などで用いられた小鼓「しててい」がある。この名は、三ノ鼓の口唱歌「志(シ)」(左桴で打つ)と「帝(テイ)」(右桴で打つ)に由来する。[藤田隆則]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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動植物名よみかた辞典 普及版

鼓 (クキ)
植物。マメ科の一年草,園芸植物,薬用植物。ダイズの別称

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精選版 日本国語大辞典

く‐・す【鼓】
〘他サ変〙 (「く」は「鼓」の呉音)
① 楽器を打ち、または弾いて鳴らす。特に、琴を演奏する。ひく。
※譬喩尽(1786)四「鼓(ク)す。弾也。鼓(クス)琴云々 ひく也」
② あおる。また、たたく。
※文明本節用集(室町中)「皷(クシテ)浪成雷噴沫成雨霧

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こ【鼓】
〘名〙
① 中国で打楽器の総称。太鼓類のほか、鐘、磐(けい)など。〔詩経‐小雅・采
② 日本では、普通、革を張った打楽器をいう。つづみ、太鼓、陣太鼓など。
※続日本紀‐宝亀一一年(780)一〇月癸巳「左右兵庫鼓鳴」

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こ‐・する【鼓】
〘他サ変〙 こ・す 〘他サ変〙
① 楽器などをうちならす。かきならす。
※文明本節用集(室町中)「由之鼓(コスルコト)(シツ)奚為丘之門〔先進篇〕」
※吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉三「洞裏に瑟を鼓するが如く」
② 勇気などをふるい起こす。ふるいたたせる。
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉二三「勉て勇を鼓(コ)し志を立て」

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つづみ【鼓】
〘名〙
① 古代日本で、打楽器の総称。形状や材質は問わない。
※古事記(712)中・歌謡「この御酒を 醸(か)みけむ人は その都豆美(ツヅミ)(うす)に立てて 歌ひつつ 醸みけれかも 舞ひつつ 醸みけれかも」
② 円筒状で中空の胴に革を張って鳴らす打楽器の総称。
※源氏(1001‐14頃)御法「夜もすがら、尊きことにうち合はせたるつづみの声たえず、面白し」
③ 中世以降に用いられた楽器の一種。桜などの材で中央がくびれた形につくった胴の両端に、革を張ってつけたもの。調べの緒を革のぐるりに通し胴でかがりしめ、左手でこの緒をしめたりゆるめたりして調子をとり、右手で打ち鳴らす。大鼓、小鼓の二種がある。現在、つづみといえば小鼓をさすのがふつう。
※とはずがたり(14C前)四「しんきそう正とかやの、つつみのおと、すずのこゑに、おこなひをまぎらかされて」
④ 紋所の名。鼓にかたどったもの。並び鼓胴、違い鼓胴などがある。
⑤ 「つづみぐさ(鼓草)」の略。
※雑俳・柳多留‐六六(1814)「三味線も鼓も見える野掛道」

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こ‐・す【鼓】
〘他サ変〙 ⇒こする(鼓)

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