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A型肝炎【エーがたかんえん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

A型肝炎
エーがたかんえん
かつて流行性肝炎といわれた経口感染型の肝炎。 40歳以上の人はほぼ抗体を持っていると考えられ,30歳以下の人が,衛生状態があまりよくない諸外国で生水を飲んだりして感染することがある。免疫グロブリンには,A型肝炎に対する抗体が含まれているので,これを 3ccあるいは 5cc投与すれば3ヵ月以上の予防効果がある。A型肝炎は,劇症肝炎にいたったときを除けば,安静にして栄養補給を行なえば全快する。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

エーがた‐かんえん【A型肝炎】
ウイルス性肝炎の一。A型肝炎ウイルスHAV)が経口感染し、発熱・倦怠感吐き気下痢などが起こり、やがて黄疸(おうだん)が現れる。感染力が強く、しばしば流行的に発生。感染症法の4類感染症に指定されている。→流行性肝炎

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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家庭医学館

えーがたかんえん【A型肝炎 Hepatitis A】
[どんな病気か]
 A型肝炎ウイルスが感染しておこる肝炎です。子どもの場合はおとなに比べて症状が軽い傾向がみられます。
 A型肝炎ウイルスは便に排出されるため、患者の便が感染源になります。便中のウイルスが水に入り、汚染された水を飲んだり、貝や魚を生(なま)で食べて感染します。また、ウイルスが便から手→口へと運ばれたり、便から手→食物→口の経路で人から人へと伝達されて感染が広がります。世界中どこにでもありますが、衛生状態が悪く人口密度が高いところに多くみられます。
[症状]
 感染すると、約4週間で症状が出ます。前駆(ぜんく)症状は発熱、吐(は)き気(け)、嘔吐(おうと)、腹部の不快感で、突然出現します。また、おとなでは便秘が多いとされていますが、子どもの場合は下痢(げり)がみられることがあります。5歳以下の子どもでは軽いことが多く、気づかれないことも少なくありません。
 前駆症状の後、黄疸(おうだん)が生じ、色の濃い尿が出ますが、子どもの場合は黄疸が軽度のため、血液検査をしないとわからないことがあります。
 症状は約1か月で消え、ほとんどの場合、完全に治り、慢性化もしません。
[検査と診断]
 症状の確認とともに、周囲に同じ症状の人がいないか、また海外旅行の有無などの情報が診断に有用です。
 血液検査を行なうと、黄疸、肝機能の異常が認められます。また、症状がで始めたころの血液中にA型肝炎ウイルスに対する抗体(こうたい)(IgM抗体)が確認できれば確実に診断がつきます。
[治療]
 A型肝炎の多くは自然治癒(しぜんちゆ)するため、症状に合わせた補助的な治療が行なわれます。高度な肝機能異常や食欲不振など症状が強い場合は入院します。安静にして輸液療法、食事療法、薬物療法が行なわれます。
[予防]
 口からウイルスが入り感染が広がるため、手をよく洗うことが基本的かつ重要な予防法です。
 家族など感染の危険性が高い人にはガンマ‐グロブリン製剤を筋肉注射して感染を防ぎます。長期的な感染予防にはA型肝炎ワクチンを接種します。

出典:小学館
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それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。この事典によって自己判断、自己治療をすることはお止めください。あくまで症状と病気の関係についてのおおよその知識を得るためのものとお考えください。

日本大百科全書(ニッポニカ)

A型肝炎
えーがたかんえん

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

エーがた‐かんえん【A型肝炎】
〘名〙 ウイルス性肝炎の一つ。経口感染し、発熱・倦怠感・吐き気・下痢などが起こり、やがて黄疸が現われる。しばしば流行的に発生。流行性肝炎。

出典:精選版 日本国語大辞典
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六訂版 家庭医学大全科

A型肝炎
エーがたかんえん
Hepatitis A
(感染症)

どんな感染症か

 A型肝炎ウイルス感染によって肝臓に炎症が生じ、肝細胞の破壊、肝機能の低下を示す病気です。急性肝炎として発症・治癒し、慢性化することはなく、肝硬変肝細胞がんへ進展することはありません。

 ウイルスに汚染された水を飲んだり、食品、とくに牡蠣(かき)を中心とした生の魚介類を食べることにより感染します。体内に侵入したウイルスは腸から吸収されて肝臓に入って増殖し、約4週間の潜伏期をへて発病します。潜伏期間中および発病後しばらくの間、ウイルスは糞便中に排泄され、他者への感染の原因となります。

 衛生環境不良な発展途上国では、乳幼児期の感染を中心に蔓延していますが、日本では散発的に発生するものとなっています。感染症法にて届け出対象となっており、近年では年間数百例が報告されています。

症状の現れ方

 初期症状は、発熱、倦怠感(けんたいかん)、食欲低下、下痢、嘔吐などで、かぜの症状と間違われることも少なくありません。その後、肝機能の低下に伴って、黄疸(おうだん)が出現します。自覚的には、褐色尿、皮膚や眼球の黄色に変化することに気づきます。

 血液検査を行うと、肝酵素が著しく上昇しており、肝炎であることが判明します。通常、1~2週のうちに快方に向かい、1~2カ月の経過で治癒します。しかし、まれに重症化、劇症化すること、急性腎不全などの肝外症状を生じることがあり注意が必要です。

検査と診断

 肝炎の原因がA型肝炎ウイルスかどうかは、感染初期の数カ月間のみ血液中で検出されるIgM型のA型肝炎ウイルス抗体の有無を調べて判断します。なお、IgG型のA型肝炎ウイルス抗体は、感染後、長期間検出されるため、不顕性感染(感染しても発病しないもの)を含めた感染があったときやワクチン接種後には陽性となります。

治療の方法

 A型肝炎特有の治療法はなく、急性期には入院、安静臥床を原則とし、自然治癒を待ちます。劇症化や肝外症状が出現した場合は、それに応じた治療が行われます。食欲がなく経口摂取不能な場合は、ブドウ糖、ビタミンなどの輸液が行われます。

 また、東南アジアなどの流行地へ渡航する場合は、ワクチン接種により感染を予防することが可能です。

病気に気づいたらどうする

 発症前後の糞便には多量にウイルスが排出されるため、家庭内では手洗いを念入りにして排便後の衛生管理に注意を払う必要があります。

新井 雅裕, 三代 俊治

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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EBM 正しい治療がわかる本

A型肝炎
どんな病気でしょうか?

●おもな症状と経過
 A型肝炎ウイルスが食べものや飲みものを介して感染(経口感染)することによって発生する病気です。潜伏期間は平均4週間程度です。家庭内での発生が多く、子どもは比較的軽症ですが、成人では強い症状となって現れます。
 かぜに似た症状が特徴です。38度以上の発熱により急激に発症します。強い倦怠感(けんたいかん)があり、吐き気、食欲不振、腹痛などの症状が現れます。こうした症状がおさまるころに、黄疸(おうだん)が現れます。3~4週間でほぼ正常に戻ります。採血検査ではAST(GOT)、ALT(GPT)の上昇、黄疸の指標であるビリルビンの上昇を認めます。
 多くの場合、経過は良好です。通常、慢性肝炎に移行することはありません。ただし、ごくまれに非常に激しい症状を伴う劇症肝炎(げきしょうかんえん)となることがあり、進行すれば意識障害をおこして死に至ることもあるので要注意といえます。また、頻度は少ないものの肝臓外の合併症(急性腎不全、再生不良性貧血、心筋障害など)が引きおこされる場合があります。

●病気の原因や症状がおこってくるしくみ
 ウイルスに汚染された水や魚介類から感染します。わが国では生ガキなどの魚介類が原因であることが多いようですが、衛生状態の悪い地域に旅行したときに、生水を飲んだり生ものを食べたりして感染することもあります。
 食物や水を通して口から侵入したA型肝炎ウイルスは、消化管粘膜から血中に入り、門脈を経由して肝臓に入り込み、肝細胞内で増殖します。A型肝炎ウイルスが肝細胞を障害するのではなく、ウイルスを排除しようとする免疫の働きによって、ウイルスの存在する肝細胞が障害されると考えられています。
 ただし、この病気は免疫ができるため再びかかることはありません。

●病気の特徴
 急性A型肝炎の診断は、ウイルスに反応して体内でつくられる抗体(IgM-HA抗体)の存在を血液検査で確認することにより行われます。
 日本では、40~60歳代前半の成人、とくに男性に多くみられる傾向があります。かつては2月から5月の間に年間発生の9割が集中していましたが、近年は夏に発症する例も珍しくなく以前ほどの季節性は認められなくなりました。


よく行われている治療とケアをEBMでチェック

[治療とケア]安静にする
[評価]☆☆
[評価のポイント] 安静が回復を促すという臨床研究は見あたりませんが、倦怠感などの自覚症状がある限り、安静にするほうがよいでしょう。

[治療とケア]必要に応じて輸液を行う
[評価]☆☆
[評価のポイント] 軽症であれば、特別な薬物療法は行いません。食欲不振のため食事が十分にとれないときには輸液が行われますが、輸液を行った場合と行わなかった場合を厳密に比較した臨床研究は見あたりません。ただし、専門家の意見や経験から必要に応じて輸液を行うことが支持されています。

[治療とケア]肝移植を行う
[評価]☆☆☆☆
[評価のポイント] 劇症肝炎となった場合に肝移植を行うことは、信頼性の高い臨床研究によって効果が確認されています。(1)

[治療とケア]予防のため、ワクチンを接種する
[評価]☆☆☆☆☆
[評価のポイント] 衛生環境の整っていない地域に海外赴任、海外旅行する際には、ワクチンの接種が勧められます。A型肝炎ワクチンの予防効果は、信頼性の高い臨床研究によって確認されています。(2)(3)


薬物療法は基本的に行いません


総合的に見て現在もっとも確かな治療法
特別な治療なしで治る
 A型肝炎による肝機能障害であることが判明したなら、ほとんどの場合、特別な治療は必要ありません。数週間程度で完全に治ります。

必要に応じて水分・栄養分を点滴で補給
 一般に食欲はかなり低下します。水分さえも飲めないほど食欲が低下したり、吐き気・嘔吐(おうと)が強かったりする場合には、医療機関で点滴による水分補給を受けることが必要になります。また、何日間も食物が口を通らないようでしたら、入院してカロリーを補給してもらう必要がでてきます。

倦怠感が強いときは安静に過ごす
 ある程度水分の摂取ができ、食物も口を通るようでしたら、自宅での静養で十分です。全身倦怠感のためあまり動きたくないと感じる間は、その程度に応じて静かに横になっているとよいでしょう。

出血斑(しゅっけつはん)、腹部膨満(ふくぶぼうまん)は劇症化の疑い
 まれではありますが、A型肝炎は劇症肝炎に移行することがあり、注意が必要です。
 皮膚の出血斑や腹水(ふくすい)による腹部膨満などは、肝炎が劇症化している可能性が高いことを示す症状ですので、ただちに病院を受診すべきです。

衛生状態の悪い国で生水を飲まない・あらかじめA型肝炎に対するワクチン接種を受ける
 A型肝炎の原因であるA型肝炎ウイルスは、日本ではほとんどみられないウイルスですが、衛生状態の悪い地域では珍しいものではありません。そのような地域へ旅行するときなどは、生水や生ものに十分注意する必要があります。
 また、そのような地域を訪れる場合には、予防のために事前にA型肝炎ワクチンの接種を受けることを検討するべきです。

(1)de Rave S, et al. The importance of orthotopic liver transplantation in acute hepatic failure. Transpl Int. 2002;15:29-33.
(2)Innis BL, et al. Protection against hepatitis A by an inactivated vaccine. JAMA: the journal of the American Medical Association. 1994;271:1328-1334.
(3)Irving GL, et al. Hepatitis A immunisation in persons not previously exposed to hepatitis A.Cochrane Database Syst Rev. 2012;7.:CD009051.DOI:10.1002/14651858.CD009051.pub2.

出典:法研「EBM 正しい治療がわかる本」
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