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IIRC【あいあいあーるしー】

日本大百科全書(ニッポニカ)

IIRC
あいあいあーるしー
企業などの価値を長期的に高め、持続的投資を可能にする新たな会計(情報開示)基準の確立に取り組む非営利国際団体。IIRCはInternational Integrated Reporting Councilの頭文字をとった略称で、日本では国際統合報告評議会と訳されている。業績などの財務情報だけでなく、社会貢献や環境対策などの非財務情報をも一つにまとめた統合報告integrated reportingという情報開示のルールづくりやその普及に取り組んでいる。本部はロンドン。持続的投資報告プロジェクト(A4S:The Prince's Accounting for Sustainability Project)と持続的投資報告のガイドラインづくりに取り組むオランダの非政府組織GRI(Global Reporting Initiative)を母体として2010年に発足した。当初は委員会であったが、その後評議会に名称を変えた。証券監督者国際機構(IOSCO:International Organization of Securities Commissions)、国際会計士連盟(IFAC:International Federation of Accountants)、国際会計基準審議会(IASB:International Accounting Standards Board)、主要国の会計士協会、日本取引所グループのほか、世界23か国の有力企業約90社が参加している。2011年に統合報告づくりに向けた討議資料を世界に公表し、2013年末には統合報告書作成のガイドラインを公表した。
 2001年のエネルギー大手エンロンの破綻(はたん)や2008年のリーマン・ショックを経て、目先の利益ばかりを追及する企業行動が不正会計や金融危機の温床になったことへの反省から、企業の持続的な成長力を分析する新たな会計ルールが必要であるとの機運が高まった。そのため、将来の企業価値の向上につながる取り組みを包括して開示する統合報告への注目が集まるようになり、IIRCの発足につながった。
 世界ではすでにコカ・コーラ、ユニリーバ、ネスレなど1000社以上の企業が統合報告書を作成し、南アフリカ共和国は上場企業に統合報告の開示を求める規制を導入した。日本でも2013年(平成25)時点で武田薬品工業、オムロン、TOTO、日本郵船、三菱商事、ローソンなど約90社が作成済みである。持続可能な投資を促す目的で発足したGSIA(世界持続可能投資連合)の調査では、2012年時点で世界の投資額の約2割は環境や社会貢献に配慮した持続可能な投資であった。しかし日本国内の同投資額は全体の0.2%程度にとどまっており、これが短期間に日本株の価格が大きく変動する要因の一つとされている。[編集部]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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