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IMF債【あいえむえふさい】

日本大百科全書(ニッポニカ)

IMF債
あいえむえふさい
IMF Bonds
国際通貨基金(IMF)が2009年に初めて発行した債券。2008年の世界金融危機の影響を大きく受けた国を支援するため、IMFは融資能力の引上げを迫られ、融資に耐えられるように財務基盤強化の目的でIMF債発行に踏み切った。アメリカ・ドルや金を補完する準備資産として創出された合成通貨単位SDR(特別引出権)建てで発行する。IMFは2009年9月に中国政府向けに700億ドルのIMF債発行で合意し、ブラジル、インド政府もそれぞれ700億ドルを購入した。
 2008年秋以降の世界金融危機で、経済危機に陥ったウクライナ、ハンガリー、アイスランドなどがIMFから融資などの支援を受けた。ただ2008年秋時点での融資枠は2500億ドルにとどまっており、その後の中東諸国や新興国などからの支援要請に応ずるには、IMF融資枠の拡大が必要との認識で主要20か国・地域(G20)が一致。2009年7月のIMF理事会でIMF債の発行が決まった。それまで加盟国から融資を受けることで融資枠をまかなっていたが、独自債券の発行はIMFの資金調達手段の多様化に道を開いた。IMF債は最長5年債で、債券発行の限度額は設けていない。IMFに加盟する国・地域とその中央銀行間でのみ売買でき、民間金融機関は保有できない。
 国際機関の債券発行は世界銀行が発行する世銀債の例などがあるが、通常はアメリカ・ドルやユーロ、円建てで、SDR建ての債券発行はIMF債が初めてとなる。SDRはアメリカ・ドル、ユーロ、日本円、イギリス・ポンドの加重平均で算出される合成通貨単位で、IMFが1969年にアメリカ・ドルなどに次ぐ基軸通貨にしようと創設した。しかしほとんど普及せず、IMFの経理上の通貨単位にとどまり、「眠れる通貨」とよばれてきた。IMF債をSDR建てとした背景には、中国などの保有する外貨が過度にアメリカ・ドルに偏っており、アメリカ・ドルが急落した場合、外貨資産が一気に目減りしてしまうおそれがある。このため中長期的にSDRをアメリカ・ドルに並ぶ基軸通貨に育てようとの思惑がある。IMF債は当面、政府・中央銀行間での売買にとどまり、民間市場には流通しないため、SDRが主要通貨として普及するには時間がかかる見通しである。[編集部]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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